頭蓋骨骨折に伴う髄液漏出
- 2017.11.21
- 脳脊髄液減少症
最近、頭蓋骨骨折に伴う髄液漏出が話題になっています。
これは外傷によって、頭蓋底部という頭蓋骨の底の部分に骨折が生じるのと同時に、脳を包む硬膜が損傷して、髄液が耳、もしくは鼻から流れてくる病態です。
前者が髄液耳漏、後者を髄液鼻漏と呼びます。
髄液耳漏は、安静などの保存的治療で、かなりの症例が改善します。
一方で、髄液鼻漏は、時に治療を要する場合があります。
頭蓋骨骨折に伴う髄液漏出は、かなりの高エネルギー外傷でないと生じません。
ちなみにプロボクシングの世界では、眼窩底骨折、下顎骨骨折は時に遭遇するものの、頭蓋骨骨折に伴う髄液漏出は経験がありません。
つまりプロボクシングのパンチ以上の、強い衝撃で生じる外傷です。
ブラッドパッチを要する脳脊髄液減少症とは、別病態です。
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先生、こんにちは。
この話題は気になっていて脳脊髄液減少症とはまた違うんだろうけど鼻からの衝撃での髄液漏はどうなんだろう?と心配してました。別状態といっても辛いのかな?と思います。
あと先日の介護のことについては本当にありがたいです。私事ですが先日、祖母が亡くなり告別式終わった夜に父が亡くなりました。
父も介護施設に入ったりしたので直接ずっと介護してたわけではないですが介護の手続きで市役所の中グルグル回り疲れてしまったのは事実。メンタルも不安定になれば脳脊髄液減少症も悪くなります。これから介護問題は大きな課題ですよね。
小堀由紀子様
まずは、御父様、御祖母様の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
このような状況の中、コメントありがとうございました。
鼻とか耳から髄液漏出が生じる状態は、大きな外傷が加わっている事が多いので、それなりのダメージがある場合が多いです。ボクシングのパンチ以上の場合が多いと思います。
高橋浩一 先生
症状としては全く見られなくても、「〜の疑い」という診断書は出せるのですね?
かつて、偽?診断書の乱発?で問題になったこともあるわけですから、事実の公正を期していただきたいです。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
相撲界、揺れていますね。早期に解決して頂きたいものです。
御質問の件ですが、診断書への疑い病名は、基本的には私は記載しません。