先進医療から保険適用まで
- 2017.02.21
- 脳脊髄液減少症
脳脊髄液減少症に対する治療が先進医療か、保険適用になっているか、わからないという質問を頂きましたので、回答します。
平成24年春にに、先進医療認定医療機関で、厚生労働省脳脊髄液減少症の診断・治療法に関する研究班発表の脳脊髄液漏出症画像判定基準を満たした症例に対して、ブラッドパッチに対して先進医療が認められるようになりました。
当山王病院では、同年8月に先進医療の認定を受けました。
これによって、先進医療に認定された症例に対して、保険診療と、ほとんど同等の費用で、ブラッドパッチが受けられるようになりました。
それから年月を重ねること4年、ようやく昨年4月より、ブラッドパッチが健康保険収載されました。
ただし、厚生労働省脳脊髄液減少症の診断・治療法に関する研究班発表の脳脊髄液漏出症画像判定基準を満たした症例に対してです。
現在、AMED: Japan Agency for Medical Research and Development (日本医療研究開発機構)での脳脊髄液減少症の非典型例及び小児例の診断・治療法開拓に関する研究にて、より良い診断基準作成に向けた研究が進められています。
高橋浩一 先生
先進医療から保険適用にいたる流れにおいて、大変なご苦労をおかけしました。
今後、より多くの患者様が恩恵を受けられるようになるためには、医療費全体との兼ね合いも大きいと思います。
なぜなら、国の病床数削減や新薬にたする補助のありかたのように、際限なく伸びてしまう社会保障費を抑えることに主眼がおかれているからです。
アメリカのおように、せっかく確立しそうになった保険制度がまた逆戻りするようなことだけにはなってほしくないです。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
本当に、様々な問題があり、保険適用まで時間がかかったのが現状です。
ただまだまだ課題が山程ありますので、診断基準の問題など解決していかなくてはいけません。
拝見させて頂き学ばせて頂いております。
先進医療、保険適用まで時間がかかり、様々な事情がお有りな中、研究と治療を続けてこられた先生方には並々ならぬことかとお察し致します。
実際、私自身も外傷性は娘を機に知りました。事故後2日目に稀に…と言われた事が頭にあり幸いでした。
脳脊髄液減少症が県単位で医療機関が公開されていますが、実際に問い合わせてみると保険適用になったことにより診療点数と医療行為が釣り合わないとのことでブラッドパッチを取りやめている医療機関があること、外傷性は除くとも。
先生のおっしゃられる通り課題は沢山ありそうですね…
りんりん様
コメントありがとうございます。
本当に問題が多くて、やっとここまで来たという感じです。
当初から脳脊髄液減少症の治療を続けられている先生方の苦労ははかり知れません。
高橋浩一先生
私の県では公表している医療機関に外傷性は除くという注意書が殆どです。また、保険適用になり条件が付いたことにより医師の異動や他の問題で取り扱わない病院も。我が県は、篠永先生が過去に講演会に来られているにも関わらず10年以上経ってもそのような状態です。
そのような状況で公表されていない病院にたまたま搬送され、診断をしてもらえた娘はある意味ラッキーだったのかもしれません。しかし、先生からの紹介状を持参しても点滴をしてもらえる病院探しにはかなり苦戦。県外からの紹介状、理由を聞かれ…外傷性のものは知らないから診れない…と何件断られたことか。さすがに心が折れました。娘の事だから親が動けますが、大人本人が辛い状況下で病院に行く事だけでも大変なのに…考えただけでも胸が詰まります。
結局、搬送され診断された病院が近所なのでそこで快く点滴をしてもらえることになりました。
胃腸炎ならすんなり点滴してくれるのに、なぜこの疾患だと点滴すらしてもらえないのか…悔しいですね。
この疾患の研究、治療をされている先生方の御苦労は計り知れないものだと改めて感じた次第です。
りんりん様
コメントありがとうございます。
御指摘の点、まだまだ医学会での認知度が低いゆえの問題と思います。
それでも確実に前進しています。今後とも応援よろしくお願いします。