脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

なぜ、気圧の影響を受けるのか?

なぜ、気圧の影響を受けるのか?

脳脊髄液減少症の患者さんで、気圧の変化で体調が悪化する方がいます。
なぜ気圧の変化に影響を受けるのか?

推論ですが、物体により、圧力の影響による収縮率の差があります。

スポンジのような物は、圧力を高くすればかなり縮まります。逆に圧力を低くすると膨張します。

一方、水のような物は、圧力を高くしても低くしても、体積はあまり変わりません。

脳脊髄液減少症の患者さんが具合悪くなる時は、低気圧の場合が多いです。

つまり体にかかる圧力が低くなります。

髄液を包む硬膜は、どちらかというとスポンジに近いような感じで、伸び縮みしやすいです。

一方、髄液は液体なので、圧力による体積変化を生じにくいです。

気圧が低くなり、髄液を包む硬膜が膨張するのに対し、髄液はあまり変化しない、つまり器は大きくなるけれど、中身は変わらないので、見かけ上の髄液量が少なくなります。

たくさん髄液があれば、少しくらい髄液が減っても影響を受けにくいですが、髄液量がぎりぎりで頑張っている方々にとっては、ちょっとした変化がきつくなるのではないかと推察しています。

気圧の変化に対して、トラベルミンという薬が、悪化の程度を弱めてくれるという方々がいますので、天候に影響を受ける方は試してみて良いかと思います。

ただ、手術の傷やケガの後も、天候の影響を受けます。脳脊髄液減少症に特異的な現象というわけではありません。