アートセレブ
- 2016.07.19
- 脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症の治療として、ブラッドパッチ、生食パッチ、点滴+安静の他に、人工髄液 (アートセレブ) 注入療法があります。
昨年3月に倫理委員会で承認を受け、治療症例も少しずつ増えてきています。
脳脊髄液減少症を自転車のタイヤのパンクした状態に例えるなら、パンク自体を止めるのがブラッドパッチや、フィブリン糊パッチです。 そして空気を入れる治療の代表が人工髄液(アートセレブ)注入です。
現在、アートセレブ治療の適応として
「ブラッドパッチなどで、髄液の漏出は止まっているが、髄液が少ないと思われる症例」
を考えています。
ブラッドパッチを複数回施行しても、体調が今一つで、RI脳槽シンチなどで漏出を認めない症例が良い適応になります。
またブラッドパッチを複数回施行しているため、ブラッドパッチは疼痛のため、施行が困難な症例も、アートセレブ治療にて効果を示す場合があります。
今後も症例を積み重ねて、知見を増やしていきます。
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高橋先生
山室です。
ブラッドパッチができなかったり効果があまり無い方にとっては朗報だと思います。
小学生、中学生でも適用可能なのでしょうか。
山室真澄様
コメントありがとうございます。
御質問の件ですが、適応があれば小中学生でも治療可能と考えています。
ただし、現段階では、高校生に対しては治療例がありますが、小中学生へのアートセレブ治療症例はありません。
高橋先生
山室です。ご教示ありがとうございました。
お子様にとっては、例えば1年学校に通えないデメリットを考えると大人の数年に値しますから、少しでも早く回復させてあげたいお母様達は、できる治療は全て受けさせたいと願っていることと思います。
より低年齢の適用例が増えるよう期待しています。
山室真澄様
コメントありがとうございます。
治療成績向上のため、そして10月の国際小児神経外科学会で、少しでも世界的に認知されるよう頑張ります。