脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

完治レポート

完治レポート

脳脊髄液減少症に対してブラッドパッチを施行し、完治された女性から闘病から回復にかけての詳細なレポートを頂きましたので、紹介します。


脳脊髄液減少症でブラッドパッチをしていただき、先日申し上げました通り、順調に快復に向かっております。心より感謝申し上げます。

発症当初、病気の情報を集めるためにインターネットでかなり検索しましたが、ネット上には治った人の情報が極端に少なく、一生寝たきりかと覚悟を決めておりました。

私もそうでしたが、同じ病気で不安に思う方はこの高橋先生のブログにたどり着くことが多いと思います。

高橋先生への感謝と他の患者さんのご参考までに、治った例として、どんな生活をしたかについて投稿させていただきたいと思います。

以下、私の症例と生活態様です。(長文、お許しください。)

<症例>

特発性脳脊髄液減少症(24時間後RI残存率は5.5%、漏れの箇所は少なくとも3か所)発症から約4週間後に上頸椎と腰椎の2か所にブラッドパッチ

<生活と経過>

ブラッドパッチ前 ・ある日突然3秒と立っていられないほどの激しい痛み(頭、首、背中)に見舞われ、以後完全に寝たきりとなる。

・入院して安静と補水を1週間行ったところ10分くらいは体を起こせるようになる。

このころから横になって落ち着いているときは寝たままできる下半身の運動を行う。

・3週間を過ぎたことから、横になっていても頭痛や耳鳴りが出てくる

・寝たきりになって4週間目に、心臓や肺の痛みを感じ胃がもたれるようになり、内臓が弱っていることを実感したため、寝たまま腹式呼吸を1回10セット、1日3回行うようになる。

ブラッドパッチ後 ・ブラッドパッチ直後から、耐えて起きていられる程度であるものの、以前より頭痛や耳鳴りが増える(横になっているときも)。

・治療後2週間は食事、トイレ、短時間の入浴以外は横になる。ただし、治療後1週間経過したところで、毎食の前にスロースクワット各10回行う。

・治療後2週間経過後は、徐々に起きる時間が増えるが3時間起きて2時間横になるペース。耐えられる程度の痛み(頭、首、背中)ではあるものの、慢性硬膜下出血を恐れて敢えて横になっていました。

・ブラッドパッチ後3週間目から4週間目にかけて、痛みはわずかずつ減ってはいくが、仕事復帰には程遠く諦め感がありました。

・治療後1か月の検診で、先生から「これからはどんどん動いた方がいい」とGoサインをいただく。

・翌日からウォーキングを開始。最初は超スローペースで20分間からスタートし、3日目に6000歩、5日目に9000歩、10日後には13,000歩。ただ、1万歩以上歩くと翌日にかなり疲労感が残り継続が困難だったため、以後は一日8~9000歩を目標に歩く代わりに少しペースを速めることとしました。

・治療後丸6週間で、多少の頭痛は残るものの主観的には全快しました。

・治療後2か月で頭痛はなくなり、客観的にも全快したと思います。

過去5年くらいの間かなり多忙でストレスも大きかったのに比べ、発症前3か月くらいは人並みの生活をし、食事もそれほどバランスが悪くなかったと思いますが、発症後は補水に加えて、(髄液の生産過程がよく分からなかったので)一般に血液に良いといわれる食生活(鉄分やカリウム・マグネシウムなどを多く含む食材)を取り入れました。

以上です。もちろん上記は「正解」ではないのですが、他の方のご参考になれば幸いです。

先生がご指摘のように、性格も影響するかもしれません。

私は元来楽観的で、寝たきりとなっても、寝たきりで何ができるかを考えて悲観的でなかったことや、人間相手のやりかけの仕事があり「今寝たきりになるわけにはいかない」という使命感があったのも幸いしたように思います。


詳細な情報をありがとうございました。

なかなか経過が良好な方からの情報が少ないようなので、特に現在、闘病中の方々には、非常に参考になるかと思います。

脳脊髄液減少症は治る病気です。

そのために、

  • 受動的でなく、自らが自分の体調と向き合い、できないことでなく、できることを探して能動的に実践された
  • ブラッドパッチ後、徐々に運動量を上げていった
  • 目標が明確で、前向きに物事を考えられた

といった事が回復に重要であったかと推察します。

益々の御活躍を心より応援させて頂きます。