硬膜肥厚像
- 2014.07.23
- 脳脊髄液減少症
特発性低髄液圧症候群
の画像所見として、「びまん性硬膜造影像」は、代表的かつ診断上、重要な所見です。
写真は特発性低髄液圧症候群、造影MRIの「びまん性硬膜造影像」です。
黄色矢印が、造影された硬膜です。ちなみに赤矢印は、頭蓋骨の一部です。
特発性低髄液圧症候群症例の中には、造影剤を使用しない単純MRIのT2強調画像、またはFLAIR(fluid attenuated IR) 法で、硬膜の肥厚が画像化される症例が存在します。
2番目の写真は、特発性低髄液圧症候群、FLAIR画像です。
黄色矢印が、肥厚した硬膜です。白く写っているもので、造影剤を使用すると、一番上の写真のように造影されます。赤矢印は、同様に頭蓋骨の一部です。
3番目の写真に正常例のFLAIR画像を示します。
黄色矢印部分の硬膜は、髄液と当信号域(黒っぽく見える)となっています。赤矢印の頭蓋骨の一部の高信号域 (白っぽく見える)とは異なります。
先日の外来では、他院から単純MRIがされた2名が受診されました。
1名は前医で、FLAIRの硬膜肥厚像を指摘され、特発性低髄液圧症候群と診断された上で受診されました。
もう1名は、FLAIR画像が正常と判断され、頭痛の原因は「不明」もしくは「精神的」と診断されていました。
まだまだ医学的認知度の低い疾患ですので、情報提供させて頂きました。
コメントを書く