脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

硬膜肥厚像

硬膜肥厚像

特発性低髄液圧症候群

の画像所見として、「びまん性硬膜造影像」は、代表的かつ診断上、重要な所見です。

写真は特発性低髄液圧症候群、造影MRIの「びまん性硬膜造影像」です。

黄色矢印が、造影された硬膜です。ちなみに赤矢印は、頭蓋骨の一部です。

特発性低髄液圧症候群症例の中には、造影剤を使用しない単純MRIのT2強調画像、またはFLAIR(fluid attenuated IR) 法で、硬膜の肥厚が画像化される症例が存在します。

2番目の写真は、特発性低髄液圧症候群、FLAIR画像です。

黄色矢印が、肥厚した硬膜です。白く写っているもので、造影剤を使用すると、一番上の写真のように造影されます。赤矢印は、同様に頭蓋骨の一部です。

3番目の写真に正常例のFLAIR画像を示します。

黄色矢印部分の硬膜は、髄液と当信号域(黒っぽく見える)となっています。赤矢印の頭蓋骨の一部の高信号域 (白っぽく見える)とは異なります。

先日の外来では、他院から単純MRIがされた2名が受診されました。

1名は前医で、FLAIRの硬膜肥厚像を指摘され、特発性低髄液圧症候群と診断された上で受診されました。

もう1名は、FLAIR画像が正常と判断され、頭痛の原因は「不明」もしくは「精神的」と診断されていました。

まだまだ医学的認知度の低い疾患ですので、情報提供させて頂きました。