脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

生食パッチ

生食パッチ

脳脊髄液減少症診療において、生食パッチ(硬膜外生理食塩水注入)の意義は以下のように考えています。生食パッチは、ブラッドパッチに比べ有効持続時間が短い反面、副作用が少ないです。

①診断

RI脳槽シンチの結果がグレーゾーンや陰性であっても、経過・症状から脳脊髄液減少症が疑われる場合に考慮します。

生食パッチを行い、症状改善がある場合は、陽性と判断します。

この場合、ブラッドパッチを行う事により、症状改善が期待できます。

②治療

ブラッドパッチを行うと、その後より症状が改善するが、時間が経つと症状が悪化してくる。そして、ブラッドパッチを追加すると、また症状が改善するが、時間が経過すると再び症状が悪化してくる。

このようなタイプの方に何回までブラッドパッチを行えば良いのかは問題です。

ブラッドパッチの回数が増えれば、増えるほど副作用の頻度が上がってきます。

このようなタイプの方には、ある回数以降は生食パッチを繰り返す事を考慮し、症状改善を期待します。

何度も生食パッチを行う事により、症状が改善する事を篠永先生は「呼び水現象」と呼んでいます。

何度目以降に生食パッチに切り替えるかは、臨機応変に判断すべきですが、原則、ブラッドパッチを4回以上行った方に考慮しています。

もちろん、生食パッチは山王病院で行っています。