良くなった症状を探そう!
- 2013.04.21
- 脳脊髄液減少症
人間は、痛み、苦しみといった症状は、すぐにわかります。
しかし、良くなった症状は、なかなか理解できない事があります。
先日受診された女性。
強固な頭痛などの症状で、ほとんど寝たきり状態でした。
脳脊髄液減少症の診断でブラッドパッチを施行、諸症状は軽減して、行動範囲も広がり、一人で電車に乗れるようにもなりました。
家族の方々も、歩く足取りが軽やかになったり、以前のような苦しそうな表情が減ったと口をそろえて言います。
ところが、当の本人は、全く変化がない、ブラッドパッチの効果が無いと言います。
症状を詳しく聞くと、「肩が痛い」など、以前と異なった症状で苦しいと言います。
「肩の診察を受けてみては!」と提案し、整形外科を受診すると、五十肩の診断で、治療中です。(ちなみに五十肩の治療には時間がかかる事が多い。)
「良くなった症状に目を向けないと、良くならないですよ!」
このアドバイスで、少しずつ前向きになって頂いています。
体調不良の状態でも、気持ちを前向きにするためには、悪い所より、良くなった所に目を向けるべきと考えています。
現在の状態を医師や弁護士、時には損保会社の方々に伝える時も、まずは良くなった症状から話し、次に残存している症状、悪化した症状などを伝えるのが良いと思います。
前向き思考につながります。
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いかに寝るか! 2013.05.02
高橋浩一 先生
良くなるための「リソース」(資源、あるいは、強み)ですよね。
「何ができないか。」ではなく、「何ができるか。」
高橋先生が、普段研究されている「ポジティブ心理学」につながる考え方だと思います。
私も、そのように考えて、自分の疾病と「付き合って」行こうと思っております。
F様
コメントありがとうございます。
病に悩む方々を見ていて、それから、他のドクターの声を聴いていて、やはり大切だと感じています。
決して簡単でない場合が少なくありませんが、いかにポジティブに持っていくのか!自分自身でも大切だと再認しています。
高橋浩一先生
私は10年位前から毎日、『体調ノート』を書いています。
起床時間・天気・気温・湿度・基礎体温・体重・血圧なども一緒に書いて自分がどのような時に体調を崩すことが多いのかなど、病院に行った時に自分の症状を先生に話せなくなることもあるかもしれないので挫折しそうになりながらも、なんとか今も書き続けています。
読み返してみると2年前に山王病院に初めて行って、自分が『脳脊髄液減少症』という病気だったことがわかった時の喜び、『ブラッドパッチ療法』をしてもらってから、自分の体調がどのように変化していったのかなどが書いてありました。
時にはネガティブな言葉ばかりしか書かれていない日もあれば、ポジティブな言葉が書いてあったり…。自分を見つめ直す大事な宝物になっています。
これからも、『体調ノート』は書き続けていきたいです。そして「完治宣言」が出された時は、まだ『脳脊髄液減少症』で悩んでいる人達や、苦しんでいる人達のアドバイスができる人間になっていたいと思います!
ゆみぷー様
コメントありがとうございます。
『体調ノート』、ネガティブな事を書いたら、必ずポジティブな事も書くようにすると良いかもしれません。
それから、『体調ノート』からも、良くなった症状が引き出せるかもしれませんね!
御回復をお祈り申し上げます。
高橋先生
良くなった症状を発見したときや、出来ることが増えたときの嬉しさといったら、天にも昇る思いです。
辛いときはつい、そのときのことを忘れてしまいがちですが、嬉しかったときの思いを持ち続けて、長い道のりを一歩一歩あゆみたいものです。
患者様の貴重なお話、ありがとうございました。
8様
コメントありがとうございます。
健康を維持する!平和を維持する!パワーが必要です。
健康な時、平和な時、健康ボケ、平和ボケなどに陥り、健康のありがたみ、平和のありがたみを忘れがちですが、いかに維持するか!の考えも大切ですね!
高橋先生
この病気に対する献身的な取り組み、いつも大変ありがたく思っております。
脳脊髄液減少症は多彩な症状がでることから、実は他の病気が原因だったのに脳脊髄液減少症がまだ残っていると思い込んで、ブラッドパッチでも治らないと感じている方は結構おられるのではないかと感じています。
私の場合、最後まで残っていたのが首から肩の痛みですが、これは頸椎椎間板ヘルニアが原因でした。いくつかの整形外科を回ったのですが、「この程度のヘルニアでそんな痛むはずはない。その、何だ、脳脊髄液減少症だっけ。それも原因かもしれないよ。」と言われたこともありました。結局の所、日本の整形外科ではどこも「この程度では手術はしない」と言われ、韓国で手術したところ、鎮痛剤を飲まないで済む日々が15年ぶりに戻りました。同時に、閃きが出なくて論文が書けなかった状態も解消し、今では1~2ヶ月に1本は書いています。閃かなくなったのは脳脊髄液減少症の為ではなく、鎮痛剤が原因でした。
「これだけできるようになった」と自分を見直すことは、ポジティブ思考としてだけでなく、「これだけ治ったのになぜこれは残るのか」と自分の症状を客観的に見直すことにもつながるのではないかと思います。
山室真澄様
コメントありがとうございます。
>脳脊髄液減少症は多彩な症状がでることから、実は他の病気が原因だったのに脳脊髄液減少症がまだ残っていると思い込んで、ブラッドパッチでも治らないと感じている方は結構おられるのではないかと感じています。
御自身の経験からの、非常に重要な御指摘です。感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
「よくなったところをさがそう」。そうですよね。よくなったところを考えると、ブラットパッチをしてからでは、たくさんあります~~~~。でも、できてたことが、できなくなって、だんだん、またできるようになる・・・・。もどかしさがあるんですよね。ちっちゃなストレス(怒)がたまってしまう。人間よくばりだから、はやく、よくなりたいんですよね。(笑)
ぬまじり様
コメントありがとうございます。
ぬまじり様のお考えは、極自然です。
ただ、より良いパフォーマンスを考えた場合に、「良くなった症状を探す!」などの思考が重要になると思います。
階段を一歩、一歩上がっていくように、ゆっくりでも、確実に!
頑張って下さい。
高橋 浩一 先生
ぬまじり 様
「悩み多きもの、汝の名は、人間。」
でも、悩みをもつということは、今以上に良くなりたいという意志があるからですよね。
だから、悩むことも、悪くはないと思うのです。
私は、今まで、自分の疾病について、悩んでいませんでした。
「部分寛解です。完全寛解にはなりづらいと思いますので、様子を見ていきましょう。」とDrに説明されて退院したからです。
これ以上、よくならないことは、確定的でしたから。
しかし、最近になって、こんなニュースが報道されました。↓
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130418-00000019-jnn-soci
「なんだ、治るかもしれないんじゃないか。」と思うと、良いニュースだけに、自身に悩みも湧いてきています。
F様
素晴らしいアドバイス、ありがとうございます。
闘病の御経験から、切実さが伝わります。
様々な病気に対する治療は日々、進歩しており、平均余命〇〇年と言われても、その〇〇年の間に、新たな効果的な治療法が見つかる可能性があるわけですから!
高橋浩一 先生
ぬまじり 様
TBSのニュースが削除されているようです。
同内容の朝日新聞ニュースを貼り付けます。↓
http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201304210154.html
高橋浩一 先生
今、私の勤務校の保健室前には、「急性硬膜下血腫」の保健ニュースが、図入りでわかりやすく掲示されています。監修は、徳島大の脳神経外科の先生です。
保健ニュースに「脳脊髄液減少症」が取り上げられるような日が、早く来るとよいですね。篠永先生や高橋先生などの御監修で。
「なまけ病と言われて」のコミックは、中学生にも十分理解できます。内容は、中学生にも理解しておいてもらっていいものです。
そこで、学校図書館に1冊寄贈しました。
「図書館にコミック」は、珍しいので、さっそく子どもたちの注目を集めています。
原宿からルーズソックスが全国に流行ったように、このコミックが流行ることを期待しています…笑
よくなった症状を知るためには、どう悪いのが本症の特性なのかを知ることも大切と考えて、取り組みました。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
「急性硬膜下血腫」と同等までいかなくても、図入りで掲示されると、先生にも生徒にも、広く知って頂けるでしょうね!
コミックスも、認知度上昇への良い機会です。有効に利用頂き、感謝です!
高橋先生のこの文章
わたしたちの助けになります。
わたしどもは
この「脳脊髄液減少症」について話す時に
痛かったこと
つらかったことを
「過去に体験したこと」として話します。
そして、
次に
「良くなった。変化があった。あきらめないでよかった。」
ということが言いたいのですが、
話す時に、
「過去に受けた傷の痛み」
を呼び起こさないように
工夫しないといけないな、と思っていました。
思い出した痛みは
身体が覚えているようで、
やはり 「痛さが増す」ようなのです。
娘は事故に遭ったわけですが
その場所に行ったり、思い出すと、
しばしば 呼吸困難になり、
震えがきました。
その場合は、
娘には
いったん ぐっと 息を落として(吐いて)から
ゆっくりと話すように、と言ってきました。
高橋先生の「前向き思考につながります。」は大事なことと思いました。
hibiki様
コメントありがとうございます。
痛み、苦しみ、過去の事であっても、忘れ難い事もあります。
そこを無理矢理でも視点を変えるという意味も、前向き思考にはあります。
呼吸も大切ですね!
高橋浩一先生
いつもお世話になっております
一週間持続していた目眩が点滴の直後には変化が見られませんでしたが、翌朝からは症状が消えていました
一重に先生のお陰だと感謝しております
まるで手品のような変化です
ありがとうございました
norick様
コメントありがとうございます。
点滴併用も、有効ですね!
御回復を心よりお祈り申し上げます。
高橋先生、いつもお世話になっております。
はっきり申し上げて、このブログにコメント出来ている人は、明らかに良くなっているか、強靭な精神力を持っている人だけなのではないでしょうか?
私の場合一昨年秋、一回目ブラットパッチで明らかに改善。特に身体の柔軟性、運動能力。電車に乗れる勇気が出たなど。
去年春の二度目はあまり変化なし。より良い気候をもとめて、学生時代山暮らしした信州との二重生活を即断開始。お陰様で、2kmが限界だった徒歩が7km以上まで伸びました。素晴らしい自然、新しい発見や人びととの出会いが救いでもありました。
今春の三度目は、大逆転の悪化。現在、電車はおろか、徒歩数百100mがやっと。もらった事のなかったモーラステープ等々痛み対策の日々。食事も椅子テーブルではままならず。ノートパソコンも座椅子でなら打てたのに、それも酷いめまいでほぼ断念。一人での転地療養生活も危険を感じ中段。道が塞がれてしまった感がありました。
しかし先月半ば、ひょっとして頸椎にブラットパッチした時に何かが起こり首が原因で悪化したのかも知れないと気づき、以前通った頸椎専門カイロプラクティックに行ったら、たったの二度目で変化が起こりました。まあ一朝一夕には行きませんが、身体の柔軟性がまた少しずつ戻って来て、暑い屋外はとても無理ですが、エアコンの効いた屋内で少しずつ運動開始。動いている限り、肩の痛みや足の痺れはなんとか忘れられます。
めまいの酷い夕刻は、横になりながらもストレッチや運動。
良いところだけに注目するのでなく、すべてありのままを観る事ではないでしょうか。
このままでは、負けていられません。
9月の通院には、MRI検査を申し込んで、今一度、客観的に見つめ直してみたいです。昨年ガイドラインも代わって医学も日進月歩?
一からやり直すつもりで挑戦しますので、何卒よろしくお願いします。
苦しんでおられる皆さんも、一緒に、このつらい夏を乗り切りましょう。
「今は『ないもの』について考えるときではない。『今あるもの』で、何ができるかを考えるときである」
ヘミングウェイ
ごきげんよう。
永井 榮亮様
コメントありがとうございます。
御指摘の通り、悪い症状も考慮すべきですが、動物は、「良い事」と「悪い事」では、「悪い事」の方が、はるかに敏感です。
そのため、「良い事」がマスクされてしまう場合も稀でありません。
永井様のように、症状に向き合い、様々な事を試され回復されていくのも重要と考えています。御回復を心よりお祈り申し上げます。