脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

スポーツによる脳脊髄液減少症

スポーツによる脳脊髄液減少症

先日の平衡班研究会 篠永先生の御発表によると、スポーツが原因の場合と交通事故が原因の場合の脳脊髄液減少症は、症状や治療法などは基本的に一緒です。

違いはスポーツが原因の症例の方が交通事故の場合より予後が良い傾向にあるとの事でした。

この原因として 損保会社など第三者との対応がない場合が多い。

といった事を挙げられていました。

また、予後に関しては日常生活が普通に送られるようになれれば良好と判断していて、スポーツへの復帰に関しては検討していない点が、今後の課題と思います。

私もスポーツが原因で発症した脳脊髄液減少症症例を数十例経験しています。

交通事故との比較において、スポーツの衝撃は、交通事故の車の衝突のような高エネルギー外傷には劣るという点が重要かと感じています。

それから、スポーツを続けたい方々にとっては、スポーツ復帰をゴールにすべきとも考えています。

一方、スポーツ外傷においても、学校内での受傷などで、学校や加害者とトラブルになる例が交通事故同様にあります。

回復を妨げる要因になり得ます。

少なくとも脳脊髄液減少症と闘っている方々においては、事故後の対応やストレスを最小に抑え、場合によっては家族や第三者の力を借りて、体調回復に専念できるような環境を整える事が大切です。

話はそれますが、頭への外傷が予想されるスポーツにおいては、セカンド・インパクト症候群の存在を知っておくべきです。