スポーツによる脳脊髄液減少症
- 2014.02.11
- 脳脊髄液減少症
先日の平衡班研究会 篠永先生の御発表によると、スポーツが原因の場合と交通事故が原因の場合の脳脊髄液減少症は、症状や治療法などは基本的に一緒です。
違いはスポーツが原因の症例の方が交通事故の場合より予後が良い傾向にあるとの事でした。
この原因として 損保会社など第三者との対応がない場合が多い。
といった事を挙げられていました。
また、予後に関しては日常生活が普通に送られるようになれれば良好と判断していて、スポーツへの復帰に関しては検討していない点が、今後の課題と思います。
私もスポーツが原因で発症した脳脊髄液減少症症例を数十例経験しています。
交通事故との比較において、スポーツの衝撃は、交通事故の車の衝突のような高エネルギー外傷には劣るという点が重要かと感じています。
それから、スポーツを続けたい方々にとっては、スポーツ復帰をゴールにすべきとも考えています。
一方、スポーツ外傷においても、学校内での受傷などで、学校や加害者とトラブルになる例が交通事故同様にあります。
回復を妨げる要因になり得ます。
少なくとも脳脊髄液減少症と闘っている方々においては、事故後の対応やストレスを最小に抑え、場合によっては家族や第三者の力を借りて、体調回復に専念できるような環境を整える事が大切です。
話はそれますが、頭への外傷が予想されるスポーツにおいては、セカンド・インパクト症候群の存在を知っておくべきです。
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高橋浩一 先生
ご説明ありがとうございます。
>一方、スポーツ外傷においても、学校内での受傷などで、学校や>加害者とトラブルになる例が交通事故同様にあります。
日本スポーツ振興センターの災害給付は、あくまで、「医療保険の補填」です。ですから、保険適用されていない本症への給付は、とても困難なものがあります。やはり、大もとの厚労省の制度と整合性が、唯一・最大の課題です。
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/saigai/tabid/56/default.aspx
また、学校事故のばあいは、加害者と被害者が、事故発生後もずっと同じ狭い空間ですごさなければいけないということもあり、加害者・被害者が直接は接触しない交通事故とは、また違った難しさがありますよね。
かつて、四日市のぜんそく訴訟でも同様な状況があり、学校教育の存亡にまでかかわる問題になったことが思い出されます。
罹患された方々の復活が、何より、他の患者様や関係者のお力になると思います。
高橋先生、どうかよろしくお願いいたします。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
この手の問題は、非常に難しいです。
ただ体調不良の方々を回復させるという事に対しては、間違いでないと思いますので、この点をしっかり頑張っていきたいと思います。