脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

大阪にて -日本正常圧水頭症学会-

大阪にて -日本正常圧水頭症学会-

第15回 日本正常圧水頭症学会

http://nph15th_2014.umin.ne.jp/

大阪にて、

「特発性正常圧水頭症 (iNPH) の髄液動態に関する考察 

―RI脳槽シンチを施行した5症例の検討― 」

の演題で発表してきました。

発表の要旨ですが、正常圧水頭症の髄液動態には、少なくとも2つのパターンが存在する可能性を考えています。

一つは、脊髄、大脳レベルでの髄液吸収が乏しく、膀胱内RI集積をほとんど認めず、RI残存率が高値となる、以前から認知されていた病態です。

もう一つは代償性に脊髄レベルから髄液吸収が亢進し、脊髄レベルで髄液吸収過剰、いわゆる髄液漏出像、および膀胱内RI集積を認め、RI残存率が低値を示す症例です。

髄液の産生、吸収の機序に関しては、不明な点が多く残されていますが、本検討からも、少なくとも非生理学的状態では、 脊髄神経根を介する髄液吸収経路の存在が示唆されるのではと考えています。

脳脊髄液動態の解明が脳脊髄液減少症や水頭症といった髄液障害の治療成績向上につながると信じておりますので、今後も症例の積み重ねと同時に、勉強していきます!