「前向き」の大切さを改めて痛感
- 2009.01.12
- 脳脊髄液減少症

新年の御挨拶、をたくさんの方々から頂きました。
慈恵医大在職時、小児の脳神経疾患を患い、治療をさせて頂いた方々からも近況をお伝え頂きました。
その中には脳腫瘍、水頭症などを克服された方々もいます。元気な笑顔の写真、かわいい着物を着ている写真などで成長した姿を拝見すると、数年前の、闘病が報われた気持ちで、非常に嬉しく思います。
一方で、不治の病に倒れた方々もいます。その中の一人に、Kちゃんがいます。
最初にお会いしたのが、彼女が4歳の時でした。慈恵医大に入院されると、ベッドの周囲にはKちゃんの好きなぬいぐるみや、素敵な衣装に包まれ笑顔いっぱいのKちゃんの写真が飾られていました。両親の無限の愛情を受けていたKちゃんを見ると、医師としての無力さ故、とてつもない悲しさを通り越した感情を、今でも覚えています。
Kちゃんは悪性脳幹腫瘍という、現在の医学では、いかなる治療を行っても余命1年程の病を患ったからです。 Kちゃんは両親に支えられ、手術、化学療法、放射線療法を受けましたが、ついに5年という短い生涯を終えました。
Kちゃんのお母様、A子さんからは、現在も、近況などを頂いております。
Kちゃんが亡くなられて、数年後に、A子さんは女児を授かりました。Kちゃんの生まれ変わりと思うほど、Kちゃんにそっくりな女の子です。
さらにA子さんは、小児のガン患者、家族に対して、自らの経験などから患者家族を勇気付ける仕事をされ、多くの方々に元気を与えています。また、現在は葬儀の司会もされておられます。最愛の家族とのお別れの儀に、自分こそが適役と自分の経験を生かし、頑張られております。
A子さんも、「前向き」という言葉をよく使われます。
A子さんにとっては、気が狂う程の悲劇であったと推察いたします。しかし、その状況から前向きに自分の力を生かせる仕事を見出し、明るく活躍されている姿、本当に敬服いたします。
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