脳脊髄液漏出症画像判定基準
- 2012.11.25
- 脳脊髄液減少症
本年春に、厚生労働省脳脊髄液減少症の診断・治療法に関する研究班が脳脊髄液漏出症画像判定基準を発表しました。
その後、脳脊髄液減少症(漏出症)に対して、ブラッドパッチ治療が先進医療に認められるなど、本症が病気としての認定が進んでいると感謝申し上げます。
私は研究班員でないのであくまで私見ですが、一方でこの画像判定基準には、とても釈然としないものを感じていました。
本研究では起立性頭痛が典型的な100症例を集めたにもかかわらず、16例が、この基準を満たしたのみでした。
言葉を換えれば、84例は、漏出を画像で示す事ができないという事になります。
15歳以下を対象にした私が発表した論文
にあてはめると、多く見積もって全体の約30%程度がこの診断基準を満たすのみです。
医学の現状から確実に診断できる症例をまず検討して、今後の発展につなげるという考えは理解できますので、今回の画像判定基準が複数の学会の承認を得て発表された事は画期的です。
しかし解明すべき点が多々残されており、厚生労働省脳脊髄液減少症の診断・治療法に関する研究班が発表した脳脊髄液漏出症画像判定基準が、絶対的な存在とは到底考えられません。
治療成績向上のための研究が進む事を強く望みます。
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