脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

仲間!

仲間!
野球部に所属する男子中学生のI.C君。

練習中に転倒、右半身を強打しました。

打撲部の痛みはありましたが、他には特に体調不良などなく、普通に通学していました。

しかし数日後、頭痛、めまい、吐気など出現、学校に行けない状態となりました。

小児科、耳鼻科、脳神経外科・・・

様々な診療科を受診しますが、特に異常が認められません。 そして時間だけが、ただただ過ぎていきました。

体調不良が持続するために、大きな病院の小児科で精査・入院を行う事になりました。

その病院では、複数の小児科医師がI.C君を担当しました。

様々な検査をしますが、やはり異常が認められません。

部長の先生が、精神疾患と判断し、精神神経科治療を薦めました。

それに対し、若手医師が、I.C君は絶対に精神疾患でない、もしかしたら脳脊髄液減少症かもしれないと点滴加療を薦めます。

点滴は確かに、一時的な効果を示しました。

部長の精神疾患という判断は変わらないものの、若手医師は、脳脊髄液減少症をはじめ、何か疾患が存在するはずだと、私に相談を頂きました。

そして先日、山王病院にて検査をして脳脊髄液減少症と診断しました。

ブラッドパッチを受けて頭痛など症状が軽減し、経過観察中です。

病室には、野球部のチームメートから贈られたという、折り鶴で作られた「仲間」のメッセージが飾られていました。

I.C君は仲間に支えられて、家族に支えられて、とても心強く感じた事でしょう!

私も眺めていて、仲間からの、もの凄い力を感じた想いです!

それから、いまだに封建的な色のある医学界において、部長の判断に対しても、しっかりとI.C君を診て頂いた若手医師に敬意を表します。