脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

心さえ負けなければ、大丈夫

心さえ負けなければ、大丈夫

「心さえ負けなければ、大丈夫」 織田友理子著(鳳書院)

https://www.amazon.co.jp/dp/4871221644

遠位型ミオパチーという、筋肉が徐々に萎縮していく、進行性の筋疾患とともに生きる織田さん

この遠位型ミオパチーは、日本国内に300-400人位の患者がいると推定され、特効的な治療がありません。そして時間がたつと、寝たきり状態になる事も覚悟しなくてはいけません。実際、織田さんは、20代の時から車椅子の生活です。

先日、先進医療が認められる事が決まった脳脊髄液減少症よりも、予後や環境など、非常に、非常に厳しい状態にあります。

その中で織田さんは、しっかりと目標を定め、自分にできる事を一生懸命に活動されています。

本文中より一部抜粋しますと、

「どんなに回復を願っても、筋肉は蝕まれていきます。それは自分の意志や努力でどうにかなるものでなく、私の手の届かないところで勝手に未来が創り変えられてしまう過酷な現実でした。

前を向いていなければ、真後ろには絶望という先の見えない崖っぷちが迫っています。

幸不幸を決めるのは運命や環境でなく、自分自身の心のあり方だと思っています。何があっても逃げない、負けない、あきらめない心から、難病との闘いがはじまりました。」

「この病気は、できなくなっていくことを一つ、また一つと受け入れていくことの繰り返しなのだ。

しかし、人間の心は決して強靭ではない。脳と心臓が侵されないこの病は、将来、鮮明な意識の中で身動きのとれなくなった体と向き合う人生が待っている。だが、それでも私たちは生きていかなければならない。

命の深みには絶望の打ち勝つ底力を秘めていることを、ときに打ちのめされて気づかされてきた。闘病は常に自分自身との闘いであった。」

「運命を嘆いていても何も解決はしない。人と自分を比べても人生が楽しくなるわけではない。希望がないのなら、自ら希望を生み出していく。光がなければ、自らが光となって輝いていく。未来は自分の心と行動で創りだしていくもの。そして幸せもまた、自らの心が生みだしていくもの。試練を成長の糧として自身を鍛えていく、そこに幸福の引力が生まれるのだと思う。」

想像もできないような環境の中で頑張られている織田さんの言葉、一つ、一つが心に響きます。

様々な病気やケガに苦しまれている方々を勇気づけて頂ける著書と感じています。

http://www.youtube.com/watch?v=nXcqzZrCoxM&feature=related