脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

「同じ空の下」を読んで

「同じ空の下」を読んで

この春、無事に中学生となった方から、「同じ空の下」についての読書感想文が県で入選したとの報告がありました。

紹介させて頂きます。

「同じ空の下」を読んで

                      ゆみか

私は、この本の筆者、轟愛さんと同じ、「脳脊髄液減少症」という病気です。

それは、身体への強い衝撃が加わることによって、頭痛や吐き気、目まい、肩こり、視力低下などの症状が出ます。

学校に行きたくても行けないほど頭痛が起きる病気です。

だから、この本に書かれていることは全て共感できました。  

私も、はげしい頭痛が起こる原因が分からなかった4年生の3学期頃、お母さんと一緒にたくさんの病院に行きました。

でも、どこへ行っても大量の薬を渡されるだけで、私の病気のことがわかる所はありませんでした。

東京に、この病気の検査や治療をしている病院があることを知り、自分の病気が分かった時は、とてもうれしかったです。

病名が分かって治療をすれば、少しでも元気になれるんだと思ったからです。  

苦しいと叫んでも

痛いと叫んでも 

何も変わらない日々の中で 

やっと見つけた 

希望は 

とても小さくて 

だけど 

なによりも 

大きいものでした

という愛さんの詩には、とても共感できました。でも、私と愛さんは、1つだけ違うことがあります。

それは、周りの先生や友達です。

愛さんの先生は愛さんに冷たいことを言ったり、うそをついたりしています。この本で先生がうそをついている所は、悲しくなったり、イライラしたりしました。

きっと、愛さんも愛さんのお母さんも同じだったと思います。

私の周りの先生は優しくて、うそをついたりはしません。

それに、休んでいた分の勉強を教えてくれたり、一緒に遊んでくれたりする友達もいます。

病院で治療をした後、ずっと横になっていなくてはいけない時、先生がクラスみんなのビデオレターを届けてくれました。

私はうれしくて、早く学校に行ってみんなに会いたいと思いました。

だから、私はとても幸せだと思います。  

私は、東京の病院で治療を2回して、行かれなかった学校も、毎日行かれるようになりました。

愛さんは、何回も倒れて病院で入院しているのに、周りの人に「大丈夫」と言っていました。

きっと、周りの人を心配させたくない「大丈夫」だったと思います。

私も、もし愛さんだったら「大丈夫」と言っていたと思います。

今の私は、この時の愛さんに、「無理をしなくてもいいよ。」と言ってあげたいです。  

まだ、以前の私のように、原因がわからなくて苦しんでいる人がたくさんいると思います。

愛さんと同じように、私もその人たちにこの病気の名前や治療の方法があることを知ってもらって、早く元気になってほしいです。  

私は、普通に生活できることや、当たり前のことができるのは、とても幸せなことで、うれしいことなんだということを、この本を読んで改めて感じました。