脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

明日に向かって その3

明日に向かって その3

F高合格の、家族中が歓喜に沸いた時から一転し、家族内では暗く辛い日々が続きました。

体調不良を起こした当初は、友達からの励ましや心配しているといったメールが頻繁に送られてきましたが、日時の経過につれ、その数はどんどん減っていき、ついには誰もY.H君にメールを送る者はいなくなりました。

そしていつしか、Y.H君が精神異常を起こして、家庭内暴力を起こしているという話題が、町中に広がるようになりました。

そんなある日、Y.H君の友人がある新聞記事を持ってきました。

そこには、脳脊髄液減少症という病気について書かれています。

記事を読んだY.H君は、かなりの部分が自分の症状と合っている!

自分はこの病気ではないのか!

そういえば、体調を悪くする2週間くらい前に練習中に転び、激しくしりもちをついた事があった!

体調不良を起こしてから6ヵ月後に、権威の先生を再び受診し、脳脊髄液減少症の可能性について相談しました。

しかし、権威の先生からの言葉は、

「脳脊髄液減少症だったら、歩いて病院には来られないはずです。また造影MRIでも異常ないし、まず、違うでしょうね。」

 Y.H君は、再び絶望し、家族からも、一層冷たい視線、言葉をかけられるようになりました。

続く