明日に向かって その2
- 2012.01.29
- 脳脊髄液減少症
「表面的に問題ないと感じていても、実際の所どうでしょうか?ちょっとしたストレスなど感じていませんか?」
権威の先生に、そう言われてみると、背伸び受験の影響もあってか、校内では下から数えた方が早い成績が続いて、勉学や将来の大学受験に対して不安を感じていないわけではありませんでした。
また部活は卓球部に所属していて、実力が日に日に進歩してやりがいを感じる一方で、最下級生で試合には出ることはないし、雑用は多いし、先輩から不条理な事を言われる事もあってストレスを感じていないわけではありませんでした。
そのためY.H君は権威の先生に対して、返答できませんでした。
しばらく休養すれば治るのではないか!
しかし、症状は全く改善しません。
精神科を紹介され、治療を受けましたが、効果がありませんでした。
親には、毎日学校に行かずに、ベッドでごろごろしている息子が怠けているように写り、
「あなたが希望して入った学校なのだから、しっかり行きなさい!」
と叱咤されます。
Y.H君はただ、
「行きたくても、体が言う事をきかないんだ!」
「権威の先生だって、異常ないって言ったじゃないの。怠けるのもいい加減にしなさいよ!」
「うるせいな~!」
Y.H君は、近くにあった本を母親に投げつけ、母親は顔に傷を負いました。
「そんな暴力起こす力があるなら、学校にいきなさいよ!」
Y.H君は何も言えずに、自分の原因不明の体調不良に苛立つだけでした。
続く
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高橋浩一先生
Y.H君の話を読んでいて、私も彼と「同じだなぁ」と思いました。
私は自分の体調不良の原因が脳脊髄液減少症と判明するのに、約20年かかりました。それまで、家族や医者・友達・学校の先生・職場の人達に自分の状態を話しても誰も理解してもらえなかった時の辛さ・苦しみは本人にしかわからないと思います。
彼の話、色々な人達(特に日頃、子ども達と接する機会の多い親や教育現場に携わっている方々)に読んでもらいたいです。私も、沢山の人達に声をかけてみようと思います。(自分の話をしても理解してくれない人達がいるので…。)
ゆみぷー様
コメントありがとうございます。
Y.H君は必死に頑張っています。
これからもY.H君の応援をよろしくお願いします。
高橋浩一 先生
ゆみぷー 様
>彼の話、色々な人達(特に日頃、子ども達と接する機会の多い親や教育現場に携わっている方々)に読んでもらいたいです。
おっしゃる通りです。
子どもは、自分の症状を的確に説明できる訳ではありません。
また、本症の場合、過去の何かの衝撃が元で発症したとすると、
子どもは、親や教師にケガをした不注意を叱責されることを恐れて、
本当のことを話さない(話せない)可能性もあります。
だからこそ、親や教師の側に「脳脊髄液減少症発見マニュアル」的なものがあるといいと考えています。
例の文科省の平成19年の通達が現場の教師一人一人には届いていないことから見てもわかるように、
「脳脊髄液減少症かもしれない」と教師が気づくには、あまりにも、本症に関する情報が少ないと感じています。
それを解消するための方策の一つとして、本市に高橋先生をお招きしてお話をしていただきました。
実は、昨夜から頭痛が続いていて、今日は欠勤しました。
少し収まってきましたが、午後は、通院するつもりです。
頭痛は、軽微な場合でも、うっとうしくつらいものです。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
>子どもは、親や教師にケガをした不注意を叱責されることを恐れて、本当のことを話さない(話せない)可能性もあります。
本当ですね。私も診療を通じて感じています。子ども達の声を、しっかり聴くことを今後も心掛けていきます。