胸郭出口症候群
- 2009.04.26
- 脳脊髄液減少症
以前、交通外傷後に脳脊髄液減少症を患われ、他院にてブラッドパッチを3回施行されたJ.Mさん(男性)。
症状がほとんど改善しないため、セカンドオピニオン目的で山王病院を受診しました。
J.Mさんは頭痛、頚部痛、倦怠感にくわえ、右手に力が入りにくい、しびれるといった症状も合併しており、就労不能の状態でした。
J.Mさんを診察すると、胸郭出口症候群が強く疑われました。
そこで、胸郭出口症候群の治療経験豊富な病院を紹介させて頂きました。
その病院で胸郭出口症候群の確定診断が得られ、手術を施行、治療後、右手の症状に加え、頭痛、頚部痛、倦怠感なども改善しました。
外傷後に手の障害を認める場合、脊髄損傷、神経根障害などがありますが、時に胸郭出口症候群を合併している事があります。
この胸郭出口症候群とは、手をつかさどる神経、血管が鎖骨の上で圧迫され、手のしびれや手に力が入りにくいなどの運動障害を伴う症候群です。
この胸郭出口症候群は、しばしば、交通事故など外傷後に発症します。 外傷性脳脊髄液減少症に合併する事も稀ではありません。
脳脊髄液減少症に合併した場合、ブラッドパッチのみで手の症状が軽快した方もいます。 また、J.Mさんのうようにブラッドパッチを数回行っても、頭痛などが持続する方で、胸郭出口症候群の手術を受けられ、手の症状のみならず、頭痛なども軽快した方もいます。
「胸郭出口症候群は外傷により発症し得る」と、医学の教科書にも載っており、保険適応です。
外傷後に上記のような手の症状が持続している場合は、考慮すべき症候群と思います。しかし、この胸郭出口症候群の認知度は低く、原因不明の手の運動障害などと診断されている方も少なくありません。
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昭和の日 2009.04.29
先生はじめまして・・
私は八ヶ月前に追突事故に遭いました。今でも状態が良くならず色々情報を探している中で先生のブログにたどり着きました。
事故後一週間後にレントゲンを撮りC5の前方すべりと言われ診断は頚椎・腰椎捻挫でした。事故翌日から吐き気めまい頭痛右腕のしびれ指の痺れ頚椎痛で起きていられないほどでした。二ヶ月後にMRIを撮りましたがそちらはなんの異常もありませんでした。でも一向に状態は良くならずにいました。夏が終わり秋頃に一日の半分は起きていられるようになったのですが少し家事をすると頚椎が痛くなり特に料理をする首の角度がとても気持ちが悪くなり腕指が痺れてきました。整形外科では点滴をしてもらいしてもらうと少し状態が良くなりまた悪くなりの繰り返しでリハビリはほぼ毎日接骨院で電気とマッサージをしてもらっています。整形もだんだん診察がなくなり点滴だけになりました。そして今月で症状固定になってしまいました。整形の先生は筋がすびてそれが原因で痺れているといいます。接骨院で治療中いつも首肩は凝っているのですが首筋に固いコリコリするしこりを見つけました。そこを押すと右腕指がしびれます。右手をあげると痛いし痺れてくるしだんだん血の気がひいてくるような少し白くなってきます。整形の先生に胸郭出口症候群のお話をしたのですがもともとの体系が原因でそういう人はなかなか治らない・・しこりはほっておくしかないと言われました。神経も圧迫していないといいます。でも首を後ろに反らす検査はマイナスでした。。首も横後ろと動かないと三十度とか四十五度とかでした。握力は事故をした時からは少し良くなりましたが右十六でした。でも事故がトングで物を挟んだりすることができなくて落としたりします。この状態でほっておいてなおるのでしょうか?もう治療法はないのでしょうか?この状態は事故とは関係ないのでしょうか・・・状態も良くならずなかなかはっきりした病名もなくこの辛さをわかってもらえず家族には長々と迷惑をかけ精神的にもおかしくなりそうです。先生よろしくお願いします。
そら様
コメントありがとうございます。
直接拝見しないと、何とも言えない部分がありますが、追突などの外傷後に胸郭出口症候群を合併する事は少なくありません。
実際、治療でよくなる方も多いです。
また御相談下さい。
高橋 浩一先生
こんにちは。
初めて、メールさせていただきます。
約13か月前、頭部に重いものが落下、激突し、外傷性頸部症候群と診断を受けました。
もう1年以上経つにも関わらず、痛みにより就労がままならない状態です。
藁をもすがる思いで、素人なりに調べたところ、ムチ打ち症が1~2年続く人の8割は、脳脊髄液減少症だった。ということを記事を見ました。
また、胸郭出口症候群の疑いがあるとも言われました。(320列CTが導入される、3か月後まで診断出来ないと言われてしまいました。)
以上2つで、先生のブログに行き着き、是非先生に一度診ていただきたいと思い、メール致しました。
先生に診ていただくにはどうしたらよいでしょうか。(現在の病院より、先生宛に紹介状を持参すれば診ていただけるのでしょうか。)
お忙しいところ、すみません。
ご回答お願い申し上げます。
さと様
コメントありがとうございます。
私でよろしければ、喜んで拝見させて頂きます。
ちなみに胸郭出口症候群、特に神経型は画像検査に現れにくく、診断に至らず経過観察されている症例が少なくありません。
高橋 浩一先生
こんにちは。
先日は、お忙しいところコメントありがとうございました。
事故から14か月、画像的には問題ないと言われましたが、
首の痛み、背骨から肩にかけての痛み、頻発する頭痛、倦怠感、手足の痺れに悩んできました。
画像的には問題ないのだから、このような症状で苦しんでいる人は沢山いる。あとは気の持ちようだと言われ、
自分も焦りから、事故後2週間ほどで復帰を試みるも、
症状が悪化し、休み、また復帰を試み、悪化しの繰り返しで
1年以上経ってしまいました。
特に今年6月に入ってから、先日コメントしたような胸郭出口症候群のような症状で歯磨きすら出来ない状態になりました。
このようなことから、先生に一から全部しっかり診ていただこうと思います。(予約させていただきました。)
宜しくお願いします。
さと様
コメントありがとうございます。
外来受診予約頂いたとの事、お力になれるよう喜んで拝見させて頂きます。
さと様の御回復を心よりお祈り申し上げます。
高橋 浩一先生、初めまして。
ブログを拝見しコメントさせていただいております。
わたしはパティシエをしております。
2年前に自転車で転倒し
左手首の軟骨を痛めてしまい
上司に仕事が出来ないと相談したのですが、なんの措置も取ってもらえず
無理矢理仕事を続け右側に負担をかけ続け、1カ月ほどしたあたりから
右腕の痺れ、だるみ、右手の痙攣、首から肩にかけての異常な肩こり、めまい、吐き気、頭痛、右手の握力低下、物が持ちづらいなどの症状 が今なおつづいており、
1年半前から病院に通っているのですが、
胸郭出口症候群、頚椎症、頚肩腕症候群、頚椎ヘルニア、ストレートネックと見てもらうお医者さんによっていろんな病名で診断され1年リハビリ治療半年前から3ヶ月ほど薬治療、点滴を受けたのですがどれも効果がでず、これ以上薬を飲むのは身体を壊してしまう可能性があるのと
これ以上仕事柄 身体に負荷をかけ続けると
右手が使えなくなるといわれ
療養治療という形でドクターストップをかけられたのですが、現在仕事を休むことが出来ない状況で症状が悪化していっております。
仕事も一日15時間ほど立ちっぱなしで
身体を使う仕事なので疲労が酷いのは事実です。
ずっと整形外科に通っているのですが
この病気を治すには仕事を手放すしかないのでしょうか。
高橋先生はじめまして。
整形外科にて頚椎ヘルニア、胸郭出口症候群と言われました。
(頚椎ヘルニアは予定だと今年9月に治っています)
2015年に自宅で事故にあい、頭痛、首、肩、肩甲骨付近の痛みがあります。
歯磨きやシャンプー、姿勢を正すと痛みが強いです。
一番困っているのが目のピントが脈動に合わせてぼやける事です。
胸郭出口症候群ではそういった症状もありえるのでしょうか?
(MRIを撮ってもらったところ、脳脊髄液減少症ではなかったようですが…)
高橋先生に診てもらいたいと思っています。
お忙しいと思いますが、お返事お待ちしております。
山中 友紀様
コメントありがとうございます。
胸郭出口症候群が疑われた場合は、胸郭出口症候群の治療経験(手術を含む)がある医師の診察が望ましいです。
ご快復を心よりお祈り申し上げます。
木藤様
コメントありがとうございます。
胸郭出口症候群では、目のぼやけは通常、生じません。
ただ、外傷性頚部症候群では視覚異常が生じる場合があります。
高橋先生こんにちは。
お忙しい中のお返事、ありがとうございます。
外傷性頚部症候群を調べました。
今年の3月に頚椎ヘルニアと診断されたので、それがきっかけだったのか、それとも先日眼科で診断された遠視なのかなと思っています。
胸郭出口症候群では目に異常が出ないということで、やはり遠視かと実感しました。
相変わらず胸郭出口症候群は辛いですが、もう少し様子を見てみようかと思います。
専門知識を用いたアドバイス、本当にありがとうございました。
がんばります!
木藤様
少しはお役に立てたようで何よりです。
高橋先生、はじめまして。
突然の質問失礼致します。
1年ほど前に胸郭出口症候群と診断され、リハビリを続けているのですが一向に良くなりません。
症状ですが、
真上を見あげようとすると、首に痛みが走る。
左手の手のひら、右手の手のひらと二の腕にたまに痺れが起こる。
胸の中央(両乳首の真ん中あたりの位置)と、その左の場所がグッと締め付けられるように痛むことがある。
上記の通りです。
もしかしてこれは誤診で、何か別な病気かもと心配になっております。上記の症状は、胸郭出口症候群の症状で間違い無いでしょうか?
また先生の病院にお邪魔して、胸郭出口症候群かという検査をしていただくことはできますか?(他県のため、継続的な通院ができないのですが)何卒、よろしくお願いいたします。
小柳 純一様
コメントありがとうございます。
文面からの判断には限界がありますが、胸郭出口症候群の診断が正しければ、一般論として保存的治療で限界がある場合は、手術治療が選択されます。
ただし、当方は胸郭出口症候群の診療、治療は行っていません。必要に応じ、胸郭出口症候群治療経験が十分な医療機関に相談されてみてはいかがでしょうか?
高橋先生
はじめまして。
突然のご質問失礼いたします。
私現在20代後半の男なのですが
11月頃から息苦しさや胸の痛みがあり、病院に診断に行き
レントゲンなどを撮ったのですが問題ありませんでした。
その後胸の痛みではなく肩甲骨付近の痛みに変わり
現在も肩甲骨や腕を回した時に痛みを感じます。
息を吸うだけで背中が痛いです。
背中のMRIも撮って頂いておりますが原因不明です。
私の体型はなで肩で筋トレでベンチプレス100kgぐらいを挙げたりもしておりました。
胸郭出口症候群はなで肩で筋トレをしている男性に起きやすいと記事を見たのですが、可能性はありますでしょうか。
また先生に診断して頂く場合は現在の病院の紹介状が必要なのでしょうか。
相田様
コメントありがとうございます。
文面からの判断は難しいので、コメント控えさせて頂きます。
尚、小生は胸郭出口症候群の治療は行っていませんので、ご心配でしたら、胸郭出口症候群治療経験のある医療機関受診がよろしいかと思います。