脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

水分バランス ~おむつからの脱却~

水分バランス ~おむつからの脱却~

脳脊髄液減少症で、頻尿(トイレが近い)という症状を伴われている方々がいます。 中には、尿失禁を患われる方々もいます。

頭痛、頚部痛などの辛い症状に隠されていて、あまり自覚されない場合もあります。

正確な機序は不明ですが、脳脊髄液の循環を含めた水分代謝(水を中心とした体内の諸成分の産生、分解など)の異常が生じていると思います。

実際、ブラッドパッチで状態が改善すると、頻尿、尿失禁の改善も、少なからず認められます。

水分代謝が正常化し、

「以前は水分を取らないと、頭痛など強くなり、たくさん水を飲む分、トイレが近かった。最近は水分を多量に摂らなくても、状態は良いのですよ。トイレに行く回数も減りました。」

といった声を良く聞きます。

頭痛など残存していても、頻尿の改善傾向があれば、かなり髄液循環も正常化に向かっていると思います。その場合、さらに様々な症状の改善が期待できます。


 K.Sさん、脳脊髄液減少症にて、山王病院通院中です。

頭痛、耳鳴りなどの症状に加え、尿失禁という、悩ましい症状も伴っていました。

若き女性で、おむつ使用というのは、それは、それは、想像できない辛さがあった事でしょう。

元来、明るい、前向きな方でしたが、仕事中、どうしてもトイレに関するコンプレックスを感じ、頭痛などの症状も重なって、仕事を辞めました。

元々の明るい強い気持ちの持ち主でも、克服できない苦悩で、診察中に堪えきれずに、涙される事もありました。

しかし、しばらくすると非常な精神力で、おむつ使用の状態でも、明るく、「がんばってま~す!」などと、報告してくれるようになりました。

そして先日、満面の笑顔で、「トイレのコントロールがつくようになりました。」と囁かれました。

複数回のブラッドパッチの効果もあると思いますが、どんなに辛くとも、頑張り続けた結果と思います。

まだ、種々の症状が残っていますが、超前向きに頑張られている姿勢に敬意を表します。