なぜ腰からの漏れが多いのか?
- 2011.06.26
- 脳脊髄液減少症
脳脊髄液減少症、特に外傷性の場合、髄液の漏出部位としては腰椎が多いです。
しかし、
「なぜ首の怪我で腰なのか?」
「腰は全然痛めたことが無いのに?」
といった質問を良く受けます。
例えば歯磨きチューブのど真中に空手チョップを加えた場合、空手チョップを受けた部分は何とも無いのに、キャップがはずれ、そこから歯磨き粉が漏出します。
空手チョップによって受けた圧力が、両端に伝わりキャップがはずれるからです。
キャップを腰と考えた場合、脳脊髄液減少症の髄液漏出も、これにイメージは似ているのではないでしょうか?
頭や首に受けたダメージにより髄液圧が一時的に上昇し、それが頭と腰と両方に伝わります。
脳の方は、髄液が多く存在するため、圧力が緩衝されやすいです。(パスカルの原理での表面積が大きい状態で、単位面積あたりの圧力が低くなると考えられる。)
これに対し腰は、漏れやすい状態にあります。
(詳細は遠藤健司ら 脊髄脊椎ジャーナル 19. 362, 2006)
また痛みの部位と漏出の部位は一致しない事が少なくありません。
脳脊髄液減少症の症状には、頭痛が最も多いですが、頭からの漏れの症例が少ない事をみても分かります。
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高橋浩一 先生
先生のご講演の中で、「寝ているときと、起きているときの髄液の漏れ」を筒状のものに例えたお話は、本当にストンと腑に落ちた感じがしたのを、覚えています。
「本当に理解できている人は、難しいことを、誰にでもわかるように易しく説明する。」といいます。
本症の置かれている状況から、学会等で、高度に理論武装して説明することは、もちろん重要でしょうが、一方で、わたくしごとき浅学の徒に、いつもわかりやすい説明をしてくださり、
本当にありがとうございます。
そのことも、本症の周知には大きく寄与すると思います。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
これからも、多くの方々に理解されやすい例えを考えていきます。
(実は、筒状のものの例えは、実はパクリです。)