脳脊髄液減少症患者側代理人の立場から
- 2011.03.08
- 脳脊髄液減少症
第9回脳脊髄液減少症研究会
ある弁護士先生から「脳脊髄液減少症患者側代理人の立場から」という演題で、貴重な発表をして頂きました。
現状、1割程度の勝率である交通事故後の脳脊髄液減少症裁判について、裁判の争点、医療従事者として、どのように医療記録を残すか、今後の課題などについて御教授頂きました。
しかし現状、診断基準の問題、事故との因果関係をいかに立証するかなど、課題が残されています。
現在の到達点としては、
①完治した症例では、勝訴の可能性がある
②完治していない症例でも、医療費だけは認められつつある。
との事でした。
改善点が多いと、裁判でも治療の有効性が認められ、良い結果に結びつく傾向にあるらしいです。
話は少々それますが、体調不良の状態でも、気持ちを前向きにするためには、悪い所より、良くなった所に目を向けるべきと考えています。
現在の状態を医師や弁護士、時には損保会社の方々に伝える時も、まずは良くなった症状から話し、次に残存している症状、悪化した症状などを伝えるのが良いと思います。
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高橋 浩一 先生
少々、法律をかじったものとして、高橋先生に教えていただいた医学の歴史と同じものを感じております。
近代医学と同様、ドイツか、それともイギリスか? ということは、法律の世界でも重要な要素です。
日本はドイツなどにならった大陸法による制定法主義、それに対して、英米では、判例法主義です。
結構知られていないのですが、イギリスに、「憲法」はありません。
日本の裁判所は、「社会の法的安定性確保のためには、裁判所は社会の動きの半歩後を歩むべきである。」という姿勢です。
そこに、裁判に救済を求める人々との乖離が生ずるのだと思います。
しかし、日本の裁判でも、英米法などの影響を受けるまでもなく、判例はもちろん重視されます。
刑事裁判で、「どうして、こんなに罪が軽いの?」などと感じることがよくある?のは、そのためです。
ですから、脳脊髄液減少症を巡る裁判でも、患者様の側にたった判決が積み重ねられることが、とても重要です。
公正な判決が出るためには、証言される医師の方々はもちろん、法曹界の方々にも、本症について、深く知っていただく必要があると思います。
高橋浩一 先生
追記です。
>話は少々それますが、体調不良の状態でも、気持ちを前向きに>するためには、悪い所より、良くなった所に目を向けるべきと>考えています。
>現在の状態を医師や弁護士、時には損保会社の方々に伝える時>も、まずは良くなった症状から話し、次に残存している症状、>悪化した症状などを伝えるのが良いと思います。
「激しく同意」します。
病気に「罹る」と、悪くなったことにのみ、注意が行きがちです。
しかし、最悪の状態から快復していることは、必ずあるはずです。
私は、病気をしたら、ちょっとした風邪などは別にして、大きい病気ほど、完全に元の状態には戻らないものと、考えています。
元の元気な状態を恨めしく思って、不平・不満を並べれば、その事実そのものではなく、嫌な気持ちだけが人に伝わります。
それより、「病気はしたけれど、あれもできる、これも大丈夫!」と考えた方が、自分とっても、周囲にとっても、その後の生活が、絶対豊か豊かになります。
それが、「幸せをはこぶ天使のパン」にほかならないのではないでしょうか?
子育てだって、子どもの悪い点ばかりあげつらっていたら、とんでもない捻くれた子どもになります。
それより、子どもの良い点を伸ばし、できないところを補完するように育てた方が、おおらかな子どもに育つと思うのです。
病気と子育ては、違うとは思いますが、向かい合う姿勢には、共通点があるのかな、と思っています。
http://www.eonet.ne.jp/~th69/osie/osie.html
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
法律の世界の解説、勉強になります。
「社会の動きの半歩後を歩むべきである。」…うなずける感じがします。
それから良い点に目を向ける!病気だけでなく、子育て、仕事にも影響すると思います。全く同感です。
高橋 浩一 先生
>「社会の動きの半歩後を歩むべきである。」
ですから、裁判を嘆く前に、
裁判をリードするような社会の動きを、こちら側から作っていくということが、
とても重要なのだと思います。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
https://takahashik.com/csf/post-4833/
も、重要な一つと考えていますが、いかがでしょうか?
先生、いつも大変お世話になっております。
おかげさまでブラッドパッチ後、
生まれ変わった様に多くの症状が消え
手術から半年と少し経ち、
日々前向きな気持ちを取り戻しています。
苦しい数多の症状を抱えて
常に希望を持てるかは難しいですが。。
病気をうらまず、ひとをうらまず、自分を責めず
きっと治そうという姿勢で
引き続き社会復帰を目指して努めます。
未だ苦しむ方が多い中、
良くなった!と発言するのは
おこがましく思ってしまいがちですが、
元患者さん達から、希望溢れる見解が
更に更に発信されるとよいなと思います。
診察の時、ご多忙な先生へ
「なんともありません」とお伝えするだけになっていることを申し訳なく思っておりますが
「一回で治そう」「良くなったという声を聞かせてください」と
仰っていただけていますことで
私の回復はきっとより早くなっているのでしょう。
良くなった部分へ目を向ける大切さを実感しています。
ありがとうございます。
F.AI様
コメントありがとうございます。
治療に加え、現在、可能な事を考え将来につなげている姿勢が回復に重要であったと思います。
益々の御活躍をお祈り申し上げます。
横からすいません
よくなったて、ことはまだまだよくなる可能性があることですから
自分の状態を正確に認識して、
(できれば数値的に)
それを高める、よくなるように進めていますね
その過程で
ぶり返しもありますし
小康状態のとこもありますが
段々よくなることを確実にしていくように
心掛けています
今の数値は
➊ฺ握力
➋ฺ腰椎の可動域
を
時々測定して、グラフにして
変化を追っています
こんな事が出来るもの
よくなってきたからです
コメント失礼しました
今さん様
コメントありがとうございます。
状態を数値化する事も一つの工夫と思います。
一つ一つの結果に一喜一憂せず、過程を重要視すべきと思います。
回復をお祈り申し上げます。
高橋浩一先生
先月、ある病院で「脳脊髄液減少症」と診断され、腰椎のブラッドパッチを行いました。
長い間、原因不明でしたので、主治医の先生に感謝の気持ちでいっぱいでした。
今もその気持ちは変わりません。
ところが、ブラッドパッチを行った後、手足の痺れや震え、関節痛、めまいなどが増しました。
経過には個人差があるし、1回で効かないこともあるとのことでしたが、歩けないほどになってしまったので、来院しました。
すると、それまで本当に親身になって治療にあたって下さっていた先生が、私の家庭環境(母の介護)を理由に、この症状はすべてストレスによるものだと仰いました。
そして、脳脊髄液減少症は完治した、あなたはどこも悪くないと・・・。
さらに、精神科を勧められました。
母の介護は何十年も前からのことですし、ここ2年くらいはとても症状も落ち着いています。
自分では納得ができないのですが、脳脊髄液減少症では、上記のような症状はでないのでしょうか?
高橋浩一先生
追記
昨日は混乱して書いてしまいました。
2週間ほど前にBPをしたばかりで症状は残っているのに
急に
「脳脊髄液減少症は完治しています。
今の症状は全般性不安障害です。」
と言われ、ショックで書いてしまいました。
そのときは呂律も回ってなかったので、言いたいこともうまくいえなくて。
でも、それならそれで、「絶対に治してやる!」って奮起しました。
私達家族は、何十年も様々な病気を乗り越え、
その度に絆を深くし、
周囲の方々のありがたみを知ることができました。
また、合間をぬって趣味を充実させたり
仕事にもやりがいを持っているので
早く復帰したいと思っています。
病気に負けない気持ちだけは、人一倍あるつもりです。
絶対に治します!!!
aoi様
コメントありがとうございます。
強い人間になる要素の一つに、「悔しさをバネにできる」があります。
医療スタッフが何と言おうと、目標に向かい、楽しみにながら回復させていこうという姿勢は重要です。
回復を心よりお祈り申し上げます。
高橋 浩一 先生
「ここに真実と正義がある」ということを、明確に示せることが大切だと思います。
残念ながら、こちら側の真実と正義が、なかなか社会をリード仕切れていない面もあるのではないでしょうか?
憲法第76条3に、
すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
とあります。
裁判における「裁判官の良心」とは何か、という点については、法的にも解釈が分かれるところなので、ここでは言及を避けますが、
大切なことは、立法や行政のように集団で決定されるのとは違って、司法は「一個人の判断」で結果が左右されるということです。
ですから、裁判官個々に「的確な脳脊髄液減少症の全体像」があるのとないのでは、正反対の判決が出てしまいます。
保険適用が立法化されること、それに基づいて行政が動くことも大切ですが、それと同じだけ、司法が本症を明確に意識することが重要です。
そのためには、医学界のお力を発揮していただくのが、一番の力になると思います。
どうか、よろしくお願いいたします。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
「真実と正義とは!」という、簡単そうで難しい問題に頭を抱えています。
保険適用が立法化されるべきなのは、間違いなく正義と考えています。
現実はなかなか厳しいですが、脳脊髄液減少症の方々を改善させ、その人たちの声を大きくしていく事が、私に与えられた一つの大きな仕事と考えています。