脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

今までに経験の無い症状が出た場合は!

今までに経験の無い症状が出た場合は!

脳脊髄液減少症は、多彩な症状を呈します。

そのため、どの症状が脳脊髄液減少症で、どの症状が脳脊髄液減少症とは違う病態から生じるのか、判断が困難な場合も少なくありません。

また、今までに経験したことの無い症状が出現した場合は、通常、別の病態を考えるべきです。

山王病院通院中のG.Yさん(50歳、男性)。

ある日、呼吸が苦しくなり、髄液が漏れてしまったかと心配され、急遽、山王病院を受診しました。

しかし、頭痛や頚部痛などの経験はあるものの、呼吸苦は初めてとの事でした。

そこで胸に聴診器を当てると、心雑音が聴こえました。すぐに循環器内科に依頼をして診てもらった結果、診断は「心不全」でした。

ただし、早期の治療が功を奏して、現在は元気です。


脳脊髄液減少症は症状が多彩なため、他の病態が合併している可能性があります。また将来的に他の疾患を合併することもあり得ます。

今までにない症状が出現した場合は、まず病的な疾患が合併していないか、例えばお腹が痛ければ消化器系、胸が苦しければ循環器系、もしくは呼吸器系の診察を受けられ、異常が無いと判断されれば、とりあえず様子を見て良いでしょう!

ただし、視機能に関しては、以前に経験のない視力低下が出現し、生食パッチ、もしくはブラッドパッチで軽快したという症例の経験はあります。

この場合も、まずは眼科に診察してもらい、「目には異常ない!」との診断後に、髄液減少の可能性を考えました。