もう精神病と言わせない!
- 2010.11.12
- 脳脊髄液減少症
N.Mさん(29歳、女性)
15歳の頃から、頭痛、めまい、倦怠感など出現、持続し通学に支障を来しました。
某病院にて、精神分裂病、または大うつ病と診断され、大量の薬を服用していました。
十年以上経過し、脳脊髄液減少症と診断、ブラッドパッチを受け、状態は徐々に改善しました。
しかし、家族の中でお父様からは、まだ精神疾患だ!という思いが拭えませんでした。
それでもN.Mさんは、やりたい勉強を地道に続け、いくつかの資格試験にも通りました。
途中、脳脊髄液減少症再発など体調を崩す事もありましたが、家の中、外で、自分にできる事をこなしていきました。
そして時が経過し、今まで家事をした事のなかったお父様が、今では家の事を手伝ってくれるようになったそうです。
お父様に、N.Mさんが精神疾患でなく脳脊髄液減少症という病気であるとの認識ができ、家の事を手伝うN.Mさんの姿を見て、いろいろと考える所があったのでしょう!
N.Mさん「もう私の事を精神疾患という人はいなくなりました!」
高橋浩一 先生
先日の講演会でも、「精神疾患と誤診される」というお話を、先生からもおせつ様からも伺いました。
①なぜ、そのような混同が生ずるのか、何が似ているのか。
②精神疾患との決定的な違いは何か、
③周囲の者(医療従事者・職場・児童生徒の学校関係者・家族などによって立場が違うと思いますが…)は、どこに気をつけたらよいか…
等々について、教えていただけますか?
あきちゃんで~す様
コメント、御質問ありがとうございます。
私の考えとして、
①なぜ、そのような混同が生ずるのか、何が似ているのか。
画像上、異常を指摘できない、頭痛をはじめとした諸症状を訴える病態はうつ病と酷似しています。脳脊髄液減少症より、はるかに、うつ病などの方が認知度も高い点も、問題です。
②精神疾患との決定的な違いは何か
これはかなり難しいのですが、天候に明らかに左右される、たとえば晴れでも具合が悪いと、その後に雨が降るといった感覚があると、脳脊髄液減少症の可能性が高いと思います。
あとは、精神疾患の治療の効果が乏しいといった事も、大切な要因でしょう。
③周囲の者(医療従事者・職場・児童生徒の学校関係者・家族などによって立場が違うと思いますが……)は、どこに気をつけたらよいか
元々、非常に前向きで活発であった性格が、頭痛を中心とした症状で、活動性が極端に鈍るような場合は、脳脊髄液減少症を考慮すべきと思います。
脳脊髄液減少症に理解の乏しい医療機関を受診すると、否定されるのみでなく、厳しい言葉に傷つくといった声も聞きます。
医療機関の選定も重要と思います。
高橋浩一 先生
ご説明ありがとうございました。
医師側も患者側も「実は、脳脊髄液減少症なのではないのか?」と疑問を持つことが、まず大切なのですね。
それには、「脳脊髄液減少症」を知らないといけませんね。
全く知らなかったことは、すぐに理解できるようになるでしょうが、少し知っていたことの理解を改めることは、特に、主義主張が絡んでくると、容易なことではありません。
>元々、非常に前向きで活発であった性格が、頭痛を中心とした症状で、活動性が
>極端に鈍るような場合は、脳脊髄液減少症を考慮すべきと思います
「頭痛の種」という慣用句があるくらい、頭が痛いことは気分をふさぐものです。不活発の要因の見分けは、子どもたちと毎日接していても、とても難しいです。
しかし、「気をつけなければならない部類の頭痛」として、この点はこれからも気をつけてみてみたいと思います。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
脳脊髄液減少症を疑う事は大切ですが、思い込みも、時には足を引っ張る要因になり得ます。
そのあたりのさじ加減が難しいのですが、さじ加減は知っていれば可能となりますので、やはり認知度上昇が大切でしょう!
高橋先生
いつもブログ拝読しております。
私は高橋先生の患者ではありません。
脳脊髄液減少症は精神的に大変こたえる診療だと思います。
わたしたち患者を見捨てず、希望を持ってみてくださって
本当に感謝しております。
患者の私もいつも希望を手放さず、日々生活していこうと思います。(くじけてばかりですが)
先生にうかがいたいことがあります。
以前、硬膜外ブロックで脳脊髄液減少症を発症された方がいらっしゃいました。
椎間関節ブロックや。星状神経節ブロックも硬膜外ブロック
になるのでしょうか?全く別の類になるのでしょうか?もしかしたら、椎間関節ブロックをうけるかもしれないので、ちょっと怖くなってしまいました。
すみれ様
コメントありがとうございます。
希望を捨てずに楽しんで下さい。益々の御回復をお祈り申し上げます。
ご質問の件ですが、椎間関節ブロック、星状神経節ブロックともに、硬膜外ブロックとは異なります。あとは主治医に、有効性、危険性など説明頂くと良いと思います。
横から失礼します
>精神疾患の治療の効果が乏しいといった
これって非常に参考になります
ありがとうございました
今さん様
コメントありがとうございます。
日常診療でも、重要視しています。