外傷歴の無い脳脊髄液減少症
- 2010.11.07
- 脳脊髄液減少症
U.Uさん(13歳、女性)
小学校時代から、時々、頭痛を訴える事がありましたが、春頃より、頭痛が毎日、強固に続くようになり、学校へ行けなくなりました。
頭痛の他に、朝が弱い、吐き気なども加わりました。
数か所の病院を受診し、片頭痛や緊張性頭痛、てんかん性頭痛などの治療を受けましたが、効果的な物はありませんでした。
発症から数カ月後に、脳脊髄液減少症の存在を知り、山王病院を受診しました。検査の結果、髄液の漏出が認められ、脳脊髄液減少症と診断、ブラッドパッチを受け、頭痛は軽減しました。現在、経過観察中です。
U.Uさんのお母さんによると、インターネットや書籍で、難治性の頭痛や子どもの頭痛など様々なキーワードをもとに検索しまくったそうですが、脳脊髄液減少症にたどり着くまで、本当に大変だったそうです。
理由の一つに、U.Uさんには明らかな外傷の既往が無いために、なかなか脳脊髄液減少症にヒットしなかったそうです。しかし実際には、U.Uさんのように外傷が明らかでない脳脊髄液減少症症例も存在します。
外傷が明らかでなくとも、難治性の連日性の頭痛で、就学や就労に支障をきたす場合は、脳脊髄液減少症を鑑別の一つとして考慮すべきと思います。
(ちなみに難知性とは、緊張性頭痛や片頭痛などの治療効果が乏しい場合を言います。)
高橋浩一 先生
>外傷が明らかでなくとも、難治性の連日性の頭痛で、就学や就労に支障をきたす
>場合は、脳脊髄液減少症を鑑別の一つとして考慮すべきと思います。
児童(特に低年齢児)の脳脊髄液減少症の場合、重要なポイントかと思います。
子どもは、けがをしたことから親や教員に怒られるのではないかと、けがを隠したりするからです。愚息なども、よくけがを隠しておりました。笑
もっと小さい子なら、けがをしたことさえ忘れてしまっているかもしれません。
あくまでも、「証拠」ではなくて、病態で判断しなければならないのですね。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
御指摘の通り、子どもから、病歴などを聞き出すのは、時に困難です。赤ちゃんの病気などは、特にそうです。
怪我や病気を正確に語らないだけでなく、隠す事も念頭に入れるべきですね!病歴のみでなく、診察も重要です!
高橋先生
泣いていた娘の母です。
先日の再診では お世話になりました。
なかなか 今まで通りとまではいきませんが少しずつ出来る事が増えてくれるといいと思ってます。
先生とお会いできた事で娘に笑顔が少し増えた気がします。
「高橋先生と 話をすると元気になれるんだよね・・不思議だね。」と 帰りの新幹線の中で言っていました。母も同じ気持ちです。ありがとうございました。
娘いわく機会があれば 先生のギターを聴いてみたいと言ってます。
泣いていた娘の母様
コメントありがとうございます。
気持ちを元気にして、体調も回復していくと良いですね!いつか一緒にギターを弾く機会があれば幸いと思います。
ただ私のギターは、ど素人もいい所で、某場所でしか、ほとんど弾きませんが・・・
『日経メディカル9月号の功罪』
高橋 浩一先生
いつもお世話になっております。
私は、ブラッドパッチ後、点滴を継続しています。
先日、体調が思わしくなく、点滴中に看護師さんが整形外科の先生を呼んで下さいました。
その時、先生から、「あなたは、2回もブラッドパッチをしたのにトータルで治っていないから、髄液漏れじゃないよ。髄液漏れだったら、どんなに漏れていても、1回ですぐ元気になるから。これは、有名な話なんだよ。交通事故とは関係ないよ。」と言われました。
私は、内臓が正常で、どこも悪いところがないのに、起立性頭痛、頚部痛、後頚部痛、めまい、吐き気、ふらつき、背中の痛みが、事故からずっと続いています。
ブラッドパッチをすると、目も良く見えるようになって、顔つきまで変わり、体調が良くなりましたが、時間とともに元に戻ってしまいます。点滴で、症状が改善します。
その先生は、「症状についても事故とは関係ないと思うけど、治療法も、病名もわからない。」ということでした。
私が横になって、そのまま点滴を受けていると、隣で診察していた別の整形外科の先生が、わざわざ私の所にお見えになり、「事故後の症状については、以前に脳槽シンチとブラッドパッチを何回もやって、論文も書いたけど、認めてもらえなかった。ブラッドパッチの後、点滴を続けて経過を見て頂くといいですよ。」と胸が熱くなるようなお言葉を頂きました。
そのあと、看護師さんが来て下さって、「診断基準を待ちましょう。がんばって。」と言われました。
同じ病院でも、『損害保険会社から聞いてよく勉強をしたから、≪髄液漏れ≫について詳しい』とおっしゃる先生と、『この病気は、難しい。』とおっしゃる、ご自身が研究されていた先生の、『脳脊髄液減少症に対しての対応の違い』を経験しました。
さて、『日経メディカル9月号』に、≪交通事故では、髄液漏れは起こらない≫と、読者に誤解を与えかねないような記事が掲載されました。日経メディカルオンラインは、約9万人の医師が利用していると聞いています。
『日経メディカル11月号』には、国際医療福祉大学熱海病院 脳神経外科教授 篠永 正道先生が反論を書かれましたが、その銘文に感動しました。
しかし、9月号トレンドビュー『脳脊髄液減少症の正体』の目立ち方に比べて、11月号の篠永先生の反論は、巻末の『読者から』欄掲載ですので、何人の目に留まるか、とても心配です。
このブログをご覧になった方のご一読をお勧めいたします。
高橋先生、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
M様
コメントありがとうございます。
日経メディカルのみでなく、脳脊髄液減少症をめぐる問題は、いまだに大きいです。
今は、理解のある医師を中心に診察頂くのが、気持ちも傷つきにくくて良いのではないでしょうか!?
認知度の上昇と、保険適用を強く望みます。
高橋 浩一先生
あたたかいコメント、ありがとうございました。
私は、治らない気がしないのです。
高橋先生のような理解ある先生に出会えたことに感謝し、完治目指して、がんばります。
M様
コメントありがとうございます。
>私は、治らない気がしないのです。
ポジティブな考えで良いですね!益々の御回復をお祈り申し上げます。
高橋先生
泣いていた娘の母です。
Mさんの コメントを読ませていただきました。
娘と同じ 対応を受けている方がいると思う心が痛いです。
以前通院していた 病院で主治医の先生の何気ない一言で娘は傷つき何度も涙しました。高橋先生の「理解ある医師に診察して頂く。」と言う言葉に賛同します。
ほんとに 一日も早い保険適用と脳脊髄液減少症の認知度が上がりますように・・・
娘も 先生とセッションが出来るといいなと苦笑いで言っています。
泣いていた娘の母様
コメントありがとうございます。
本当です。認知度が上がるだけで、救われる方も増えるかと!
>娘も 先生とセッションが出来るといいなと苦笑いで言っています。
私は〇舞〇町で、時々、ベースを弾いていますので、こちらこそ、よろしくお願いします。