脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

外傷歴の無い脳脊髄液減少症

外傷歴の無い脳脊髄液減少症
U.Uさん(13歳、女性)

小学校時代から、時々、頭痛を訴える事がありましたが、春頃より、頭痛が毎日、強固に続くようになり、学校へ行けなくなりました。

頭痛の他に、朝が弱い、吐き気なども加わりました。

数か所の病院を受診し、片頭痛や緊張性頭痛、てんかん性頭痛などの治療を受けましたが、効果的な物はありませんでした。

発症から数カ月後に、脳脊髄液減少症の存在を知り、山王病院を受診しました。検査の結果、髄液の漏出が認められ、脳脊髄液減少症と診断、ブラッドパッチを受け、頭痛は軽減しました。現在、経過観察中です。

U.Uさんのお母さんによると、インターネットや書籍で、難治性の頭痛や子どもの頭痛など様々なキーワードをもとに検索しまくったそうですが、脳脊髄液減少症にたどり着くまで、本当に大変だったそうです。

理由の一つに、U.Uさんには明らかな外傷の既往が無いために、なかなか脳脊髄液減少症にヒットしなかったそうです。しかし実際には、U.Uさんのように外傷が明らかでない脳脊髄液減少症症例も存在します。

外傷が明らかでなくとも、難治性の連日性の頭痛で、就学や就労に支障をきたす場合は、脳脊髄液減少症を鑑別の一つとして考慮すべきと思います。

(ちなみに難知性とは、緊張性頭痛や片頭痛などの治療効果が乏しい場合を言います。)