ほのぼのとした話
- 2010.10.05
- 脳脊髄液減少症

O.Kさん(40歳、男性)
私が山王病院に勤務し始めた平成18年に拝見させて頂きましたが、当時は脳脊髄液減少症でほとんど寝たきり状態でした。
本当に辛そうな姿は印象的で、現在でも記憶にあります。
しかし、ブラッドパッチや外リンパ漏の手術にて状態は徐々に改善しました。
現在では仕事も再開し、日常生活はほとんど支障がないまでに快復されました。
先日、O.Kさんが外来を受診され、快復の喜びや、あの辛い時期に諦めなくて良かったなど、語って頂きました。
そして最後に
「今度、結婚する事になりました!」
と、何ともおめでたい報告まで頂きました。心より御婚約を祝します!
高橋浩一 先生
先日のご出産にしても、今回のご結婚にしても、「至極普通な」人間の営みです。
その上に「病気を克服して」とか「病身をおして」がつくと、
「すごいね~」ということになります。
つまり、「病気をしたら、いろいろ限定されて当たり前」という「常識」のようなものがあるのかもしれません。
病人としては、そこのところがつらいです。
「出来ないことがつらい」のではなくて、「出来ないと見られることがつらい」というか…
病気をして、確かに、どこかの器官に異状があるのかもしれません。でも、その人の人間性や日常生活が異状なわけではない…
そういうことを、わかってあげるのが「共生」ということなのだと思います。
F様
コメントありがとうございます。
病気をした事は決して悪くない!人として当然、やりたい事をすべき!
とは、いつも考えている事です。しかし、この事は常識ではないかもしれません。
F様の御指摘の点、「出来ないことがつらい」のではなくて、「出来ないと見られることがつらい」も、深く考えるべきと思います。
高橋浩一 先生
以前、メディアで聞いた話ですが、アメリカでは、「薬を服用している。」というだけで、出世に影響するので、優秀なビジネスマンは、人前では絶対に薬を飲まないそうです。
なにかというと、茶飲み話に「病歴」などを語る日本とは随分違いますね。
私も、長期入院を二度も経験した身ですが、その間の「遅れ」は、「コンプレックス」として、結構後を引いています。
F様
コメントありがとうございます。
日本では、仰られる傾向がありますよね!
しかし、病気した事は悪くない!と多くの方々に感じて頂けるような世になればと思います。