アメリカから
- 2010.08.14
- 脳脊髄液減少症

アメリカ在住のEさん。
初回ブラッドパッチで、症状は軽快しましたが、アメリカに帰ると、強固な頭痛が再燃しました。
アメリカでは、脳脊髄液減少症の理解は、日本よりはるかに悪く、
RIで漏れがないから、脳脊髄液減少症でない!と、合言葉のように言われたそうです。
それ以外にも、Eさんの前で、傷つくような言葉を投げつけられ、大きく心を痛められました。
それでも、日本で一度、ブラッドパッチで良くなったと主張し続け、ブラッドパッチを合計4回受けました。
その結果、1年半の闘病生活に終止符を打つことができたと、先日、山王病院で報告頂きました。
Eさんは
「この病気になって良かった。友達との絆も深くなったし、この年齢でなかなかできない経験をさせてもらったし!将来は、心理士になりたい!」
と、話されました。益々の御回復と御活躍をお祈り申し上げます。
しかし、アメリカでのブラッドパッチの治療条件は、かなり厳しいようです。治療費も1回の入院で100万円を超えるそうです・・・。
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高橋浩一 先生
「アメリカから治療に来られる」ということに大きな驚きがあります。
幼児の心臓移植などで「アメリカに渡る」というニュースは、しばしば耳にします。
「脳脊髄液減少症」に関して、アメリカでも「鬱でしょ、という誤解」ならまだしも、「Dr.から診断」されてしまうような、「医学的偏見」があるとは、夢にも思わなかったからです。
ということは、本症の治療に関して日本が「最先端」なのでしょうか? 他の国の動向はどのような感じなのでしょうか?
アメリカでは、医療は民間保険が主流だと思うのですが、それの本症に対する適用などは、どうなっているのでしょうか?
なぜアメリカや他国のことが気になるかというと、ただの紙のことなのに「カルテ」というドイツ語は「医師の診療記録カード」を指していることから見てもわかるように、
「外国の文化を取り入れて、それをアレンジして伸びていく」のが、日本文化の一つの流れで、医学も例外ではないと思うからです。
アメリカでそのような「遅れ」があるとすると、結構な一大事かもしれない…と感じるのは、私だけでしょうか?
「人の振り見て我が振り直せ」をモットー?にしている日本にとって、「アメリカという手本」もないとすれば、日本の研究者の方々のご苦労は、察するにあまりあるものがあります。
Eさんが、「心理士」になりたいという夢を持たれていることを伺い、大変嬉しく存じます。
「夢を持つこと」はとても大切なことです。
https://takahashik.com/mental-training/post-436/
日本の子どもの患者様たちにも、そのように考えていただけたら嬉しく思います。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
脳脊髄液減少症は日本発、世界初とも言われています。海外からは、日本は適応が広いとの意見を頂いていますが、精神的なものと判断され、現状を持続するか、治療で軽快するかは、かなりの差があります。
Eさん、そして御家族は治療を受けるにあたり、アメリカでの非常な障害を感じられました。その想いの一つとして、私を激励頂いた事、嬉しく感じています。
高橋浩一 先生
お返事ありがとうございました。
「脳脊髄液減少症」の知名度が、必ずしも高くないということは、
そのように、日本で最先端の研究や治療が行われているということも、ほとんど知られていないことを意味するのだと思います。
厚労省の研究の公表も遅れているようですが…
やはり、医学的な治療成績を上げることと、周知活動は、車の両輪のように進んでいかなければいけないと思います。
世界で初めて空を飛んだ人として、「ライト兄弟」があまりにも有名ですが、実は、それよりも前に二宮忠八という日本人が、有人飛行を具体化し、設計図まで書いて、軍に進言しているのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%AE%AE%E5%BF%A0%E5%85%AB
なぜ、事が成らなかったかというと、軍の上層部が、「欧米諸国でも出来ていないことを、日本で出来るはずがないから。」という理由で一蹴したのだそうです。
「前例がないから…」という断り方は、いかにも日本的です。
時には、人の気持ちを傷つけずに、事を納めることも出来ます。
しかし、科学は、「前例との挑戦」であり、「前例を覆す真理」を発見することだと思います。
本症を研究・治療なさる方々にも、異を唱える方々にも、そのように考えていただけたら大変嬉しく思います。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
二宮忠八の話は存じませんでした。ただ、脳脊髄液減少症に関して、海外からの認知が進めば、一気に日本での認知も進むと思います。
過去に日本では、脚気や水俣病などが認知まで数十年かかりました。過去の歴史を鑑み、前例との挑戦になれば幸いと思います。
高橋先生
先日は診察ありがとうございました。
飛行機での気圧の変化と気候の違いから
オーストラリア帰国後体調を崩しましたが、
今は元気にしています。
私はオーストラリア在住ですが、
こちらでは風邪程度の事は無料で診察してもらえますが、
レントゲンやCTなど高額です。
こちらに住む日本人でも病気やケガなどで
日本に帰国して治療を受ける方が多いです。
飛行機代を払ってでも日本の方が
金額面からも精神面からも安心できるからですね。
先進の技術はあるけど一般的ではない。
アメリカもそうなのではないでしょうか?
脳脊髄液減少症の診断書を見せても
普段はやさしいホームドクターでさえ
「知らない」と冷たくあしらわれ
点滴さえもしてもらえなかったのが現状です。
‘まずはアメリカから’なのかもしれませんが、
もっともっと認知度が高まってくれたらうれしいです。
yuko様
コメントありがとうございます。
オーストラリアからお疲れ様でした。
典型的な症状でないと、他の国では脳脊髄液減少症は認められにくいと思います。
アメリカでの認知が高まれば、一気に病態の究明なども進むと思います。
高橋浩一 先生
yuko 様
>こちらに住む日本人でも病気やケガなどで
>日本に帰国して治療を受ける方が多いです。
>飛行機代を払ってでも日本の方が
>金額面からも精神面からも安心できるからですね。
>先進の技術はあるけど一般的ではない。
>アメリカもそうなのではないでしょうか?
これは、まさに国内でも「病院をハンティングする患者の姿」そのものと全く同じなのではないでしょうか?
こういうことにならないためにも、「診断基準の確立」と「保険適用」の早期実現が望まれると思います。
高橋先生がいつもおっしゃっている「病を見ずして人を見よ」が浸透したら、嬉しいです。
F様
コメントありがとうございます。
御指摘の通りです。アメリカ型の医療は、医療費高騰、訴訟の増大など問題が多くあります。
日本の医療にも、問題が山積みです。患者様達に納得頂くために、「病気を診ずして病人を診よ」を心がけていますが、難しい事もあり、反省が絶えません。