脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

気持ちで治る場合もある

気持ちで治る場合もある
S.Aさん、40歳、女性

3年前に、突然の起立性頭痛にて発症、特発性低髄液圧症候群の診断で治療を受けました。

その後、起立性頭痛は消失しましたが、体調不良が持続しました。

そして、ある医師から「髄液がまだ漏れている可能性がある。」

と、指摘されました。

S.Aさんは、手の痺れ、倦怠感、胸のバクバク感などに悩みます。

先日、S.Aさんは私の外来を受診しました。

経過、症状を拝聴し、諸検査を行いました。

「起立性頭痛が消失しているし、低髄は治っていると思いますよ!」

S.Aさんは、

「では、私のこの症状は何ですか?」

「別に心配するような症状でないし、治ったと思って、少しずつ体力を回復させて、楽しい時間を過ごされたらいかがですか?」

数週間後、S.Aさん

「すっかり元気になりました。自分の中で低髄という病気を作っていました。」


私が中学3年の時、某大学病院で心臓に穴が開いているので、すぐに手術をしなくてはいけないと宣告されました。

その時、最近、疲れが強くなっていないか?などと聴かれ、そういえば以前より疲れが強い、息が切れやすいと感じた事を覚えています。

今考えてみれば、中学3年になって、練習量、運動量が増えたので、疲労感などが強いのは当たり前なのですが、その当時は、そんな事を考える余裕が全くありませんでした。

(ちなみに後日、心臓疾患に関しては誤診が判明)

人である以上、気持ちや感情に体調が左右されるのは至極当然です。

しかし、特に脳脊髄液減少症は悪性疾患と異なりますので、どうか気持ちを少しでも、少しでもプラスに持って行き、充実した時間を使って頂けたらと思います。