髄液に関する基礎研究
- 2010.05.16
- 脳脊髄液減少症
大分大学医学部・大学院医学系研究科 生体構造医学講座(解剖学1)の、三浦真弘先生は、髄液吸収とリンパの関係において、非常に重要な、興味深い研究をされています。
動物実験で、髄液の吸収路、特に頚椎からリンパ系へ吸収される経路が存在する事を形態学的に証明されました。
また三浦先生は、脳脊髄液減少症に非常に興味を示して下さり、動物実験で、ブラッドパッチの効果を研究されています。
先日、第8回 脳脊髄液減少症研究会では、その実験結果など特別講演を賜りました。
そこではブラッドパッチの効果として、硬膜外からの圧力の上昇が重要でないかと話されました。
脳脊髄液減少症の病態に対して研究されている事自体が、悩まれる方々のために頑張られている証しであると感じ、熱き感謝の念を感じます。
三浦先生の益々の御研究の発展を期待しています。
続く
高橋浩一 先生
私も、リンパ腫を患っておりますので、リンパの研究には、とても期待している者の一人です。
臨床に比べて、病理を研究される医師の不足が日本の医学の大きな問題である、と伺っています。
「医は金術」ではなく、「仁術」を求めても十分採算がとれるような環境作りも国政レベルで大切であると思います。
同様な理由で、産婦人科や小児科の医師の志望者が減少しているとも伺います。とても残念に思います。
F様
コメントありがとうございます。
リンパに関しては、髄液関係で私も留学中に少々、勉強しました。なぜリンパの存在しない中枢神経組織に、髄膜炎などの際に髄液中にリンパ細胞が現れるかなど、非常に魅力的です。
ところで御指摘の医師の偏在は問題です。脳神経外科医師も不足していますし、基礎系の先生も不足しています。国政レベルも大切ですし、マスコミの報道なども重要と考えています。
高橋 浩一先生
いつもお世話になっております。
心より御礼申し上げます。
「脳脊髄液減少症」は、先生方のご尽力により、「心因性」と言われた悲痛な過程を経て、科学的に評価されるようになりました。また、いろいろな方にも、病気を知って頂ける機会が増えました。
つい2年前には、「脳脊髄液減少症」という病気の存在も否定的でとても耐えがたいものがありましたが、三浦先生の御研究を知って、胸が熱くなりました。
私は、時速六、七十キロ、ノーブレーキの追突事故で受傷しました。相手方保険会社から軽微な事故といわれました。
高速道路で時速100キロで追突されたわけではないので「頚椎損傷」もなく、寝たきりではないので自分の病気は自分で治してくださいと言われました。
骨折などの外傷がなかったのでお医者様への面談等も一度もありませんでした。
「脳脊髄液減少症」の可能性を示唆した、事故後1か月目から、保険会社の対応が急変し、すぐに保険打ち切りになりました。
それから治療できる先生探しが始まりました。今では確定診断されて、先生にブラッドパッチ治療をしていただけましたが、そこに至るまでは、症状が激しくて平常心を保つのが大変でした。
しかし、「脳脊髄液減少症」と診断されたことで、完治の希望がわきました。
私は、確定診断まで9カ月もかかってしまいましたが、このような苦労をする患者さんが出ないように、専門医が見ても納得できるような診断基準が出来ることを祈っています。
3月6日に日本脳神経外傷学会が「脳せき髄液減少症」を認定という報道がありましたが、よく見てみると「外傷に伴う低髄液圧症候群」が、我が国においても存在するが、極めてまれであることも確認することができたという発表でした。
「脳脊髄液減少症」が広く認知されることを望みます。
「脳脊髄液減少症」の研究は、名付けられてまだ新しく、未知の部分が多く、本当に難しいと思います。
例えば、漢方薬は動物実験ではなく、人体実験で効果を確かめた唯一の薬だということを薬理学の授業で聞いた覚えがあります。
今は、漢方薬の成分を分離精製して、どの成分が主要有効成分であるか明らかになっています。
その成分を細胞レベルで実験して動物実験して(マクロで結果がでているものをミクロで調べて、)再びマクロの意義が認められています。
ブラッドパッチが有効な理由も、基礎医学の先生方のご尽力で細胞レベルでもいろいろわかる日が楽しみです。脳脊髄液の働きについて、ノーベル賞ものの研究がされるかも知れませんね…。
「基礎医学」から「臨床」へ、治療や発症のメカニズムの裏打ちデータがたくさん集まることを切望しています。
先生、お誕生日おめでとうございました。最後に、先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
M様
コメントありがとうございます。
脳脊髄液減少症をめぐる問題は、いまだに山積みされていますし、脳脊髄液減少症に対して否定的な意見も少なくありません。
その中で三浦先生のように、基礎研究の立場から脳脊髄液減少症の研究を進めて下さっている医師の存在は、非常に心強く感じています。
M様の益々の御快復を心よりお祈り申し上げます。
NHKの「龍馬伝」で活躍中の勝海舟に、下記の言葉があるそうです。
『世間は生きている。理屈は死んでいる』
私はこれを、下記に読み替えています。
『現場は生きている。理屈は死んでいる』
ここでのやりとりを見ていて、ますますその意を強くしました。
高橋先生には臨床という現場から、これからも最先端を提案続けていただければと思います。現場にいる患者様達も、それを願っておられると感じました。
やまむろ様
コメントありがとうございます。
勝さんの言葉は幕末の幕府に向けてでしょうか?!趣深いです。
現在の脳脊髄液減少症の臨床は、現場を中心に、同時に三浦先生の御研究など理屈も息を保ちながら強くなっていったらと願います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
高橋 浩一先生
いつも、いつもお世話になっております。
私は、事故後、日を追うごとに症状が悪化しました。
平らなところで転ぶようになり、両手足の痺れと痛みが持続し、足の指が動かなくなっていることに気付きました。
事故直後は事故の打撲でお尻が痛くて排尿がつらいのかな?と思っていました。そのうち、尿閉から頻尿になりました。
起立性頭痛、背部痛、胸部痛、目のぼやけ、めまい、ふらつき、吐き気、耳鳴り、ろれつが回らない等、いろいろな症状が出現しました。血圧は、74/40を経て最低血圧が90以上と高くなり、頻脈になりました。
近医で頚椎捻挫の治療を継続していましたが、脳神経症状が強いので、ある大学の脳神経外科を紹介されました。厚生労働省の研究班の研究者でもいらっしゃいます。
結果、造影MRIでびまん性の硬膜肥厚が認められず、マルファン症候群ではないので「髄液漏れ」は、起こり得ないと診断されました。
髄液漏れの起立性頭痛は、15分も座っていられず、診察時にも返答が出来ないほど強いということでした。
「髄液漏れ」がひどい場合は、手術があり、ブラッドパッチは、副作用が強く廃人になる場合があるということでした。
これだけの症状があり、重症なので、頚椎がひどいことになっているのではないかと言われました。
頚椎MRIの検査をしたところ、軽度のヘルニアしかなく、症状の説明が出来ませんでした。
助けてあげたいが、今の法律や治療では不可能と言われました。
その後、近医から脳脊髄液減少症研究会の先生に紹介され、診察後直ちに「ラクテック」の点滴を受けました。
前医から二度と動かないと言われた足指が点滴中に動いた衝撃を忘れることが出来ません。
その時、先生が「女神」のように思えました。
感謝でいっぱいです。
高橋先生を紹介していただいて、先生からブラッドパッチをして頂きました。
ブラッドパッチ前は、大学病院で迷子になるほど目がぼやけていましたが、2度のブラッドパッチで改善してきました。私の場合、2回目も麻酔のおかげで殆ど痛みを感じませんでした。直後の炎症性の反応の後、退院後は落ち着いています。
只今、6か月経過しました。週3回の点滴で経過観察中です。
私の場合、漏れの部位が特定出来ないので、脳脊髄液減少症とのおつきあいも、しばらく続くかもしれません。完治目指して頑張ります。
篠永 正道先生により脳脊髄液減少症が発見されましたが、権威ある先生方にとって、特発性低髄液圧症候群の治療経験イメージとの乖離がとても大きいのでしょう。
造影MRIの結果だけで診断されていたら今の私はなかったかもしれません。MRIミエロでオーロラサインがありましたが、脳脊髄液減少症のスクリーニング検査の選定の難しさも身にしみて感じました。
高橋先生に出会えて本当に良かったです。
先生、頼りにしています!!!
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
M様
コメントありがとうございます。
厚生労働省の研究班の先生に、診断されなかったのは残念ですが、根拠がマルファン症候群でない事と硬膜肥厚が認められない事というのは今後の問題と思います。
そんな状況でも、前向きに考えられている姿勢は大切です。
楽しく快復下さい。
髄液を増やす漢方薬
単に髄液を増やしたいというのであれば、瓊玉膏という中国で宋の時代に誕生した薬が良いと漢方薬局で情報を貰いました。
漢方医学書に発表された効能の一例を挙げると、
体を造っている元が充実し、生命活動が盛んになり、頭脳・骨髄・脊髄を充実する。
全身が滋潤し、栄養と血液がゆきわたる。
五臓六腑の働きが盛んになる。
頭脳・体力が若返り、記憶力が良くなる。
心身共に弱り切っているのを治す。
などがあります。
脳疲労や脳萎縮からおこるふらつき・脱水にも有効で、認知症の方にもおすすめの漢方薬だそうです。
体の根本から改善していく薬、半年から一年の単位で続けるのが良さそうです。
私は若かった時、底髄のボケで覚えられなかったことが髄液の循環が良くなった最近、スッと頭に入るようになって張り切り過ぎて脳がカチンカチンになってダウンしてしまい、けい玉膏を進められました。
飲み始めて一週間で頭痛はかなり改善し、化粧水の使用量がうんと減って驚きました。
肌が潤い続けたら、体の内側にも良いかも知れません。
これは面白いかも…、続けてみます。
はな様
コメントありがとうございます。
先日も、はな様の漢方情報が有効だったと、喜ばれていた方がいました。心より御礼申し上げます。
今後とも貴重な情報など、御教授お願い申し上げます。
はじめまして、袴田と申します。
幼少の頃から元プロボクサーの父から暴力虐待を受け、警察沙汰になった15歳の時の苛烈な暴力で正に”半殺し”半分殺され40歳で脳髄液減少症と診断されブラッドパッチを受けましたが、その後遺症で治療跡内部にケロイドが広がり経口鎮痛剤も効かなくなり今は一日2度の鎮痛座薬で紛らわしつつ寝た切り廃人の状態です。
こちらでラクテック点滴と瓊玉膏を知り希みが湧いて来ました。トライ&エラーでも試してみようと思います。ありがとうございました!
袴田 恵様
コメントありがとうございます。
元プロボクサーの父から・・・心痛めます。
トライ&エラーで、何とか袴田様に効果的な治療が見つかる事を望みます。
御回復をお祈り申し上げます。