先天性二分脊椎マウス
- 2010.02.23
- 脳脊髄液減少症

慈恵医大在籍時にある先輩から、
「先天奇形の研究をしないか!」
と誘って頂いたのが、私の一つの転機でした。
諸先輩からの指導の元、臨床の傍ら基礎研究を行っていた時期がありました。
大学で主に使用していた実験動物は、先天性二分脊椎マウスである Splotch delayed mouse(Spd マウス)です。
このSpd マウスは、脊髄が割れているため、そこから髄液の漏出が生じ、キアリII型奇形と言われる小脳扁桃の下垂などの脳の奇形を合併します。
写真は頭蓋と脊髄に被裂があるSpd マウスです。

このマウスを使用していたのは、15年以上も昔の事ですが、当時から
「髄液が漏れて、脳が下垂する!」
といった事は、よく目にし、耳にしていました。
現在、脳脊髄液減少症をはじめとする髄液循環障害の治療に関らせて頂いているのも、この先天奇形の研究のおかげと、改めて感謝の気持ちです。
コメントを書く