脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

啓蒙につながれば!

啓蒙につながれば!
先日、関西地方で眼科をされている女性医師 A.K先生から御手紙を頂きました。

A.K先生はある日、ひどい起立性頭痛を自覚しました。

A.K先生が勤務している内科でMRIなど検査を受けたが異常を認めなかったとの事です。担当医が髄膜炎を疑い、腰椎穿刺を行いましたが、髄液所見も正常でした。ただし、髄液圧は4cm水柱と低髄液圧でした。

A.K先生御自身が、低髄液圧に関係した頭痛でないかと考え、担当医に強く申し出て、造影MRI、RI脳槽シンチを行い、脳脊髄液減少症の診断を得ました。そして、麻酔科の先生にブラッドパッチを施行頂いたそうです。

そのA.K氏からの御手紙です。

「私自身が今回のことでいろいろこの疾患について勉強し(主治医の先生と一緒に調べてきたという感じです・・・)、こんなにも苦しんでいる人がいるのかと驚きました。

今回、私が医学的知識があり、主治医も自分の病院の医師ということでなにかと検査をしていただきましたので早期に診断がつきましたが、こんな様子では、一般の人で診断に時間がかかるというのはとてもよくわかります。

しかも症状が軽いほうと思われる私でも、今まで経験したことのないような頭痛と倦怠感、吐き気を味わいました。

これを何カ月も体験していらっしゃる患者さまを思うと本当に苦しいだろうと考えさせられます。 

私にできる限り、この疾患の啓蒙に努めていきたいと思います。

私は眼科ですが、思い出してみれば、交通事故後などに倦怠感と視力障害を訴えて来院されたような方もいらっしゃいました。

眼科的には異常がありませんでしたので、脳外科、内科で異常ないと言われているなら大丈夫!!と言って帰してしまったこともあります。

その人が、実際はどうだったかどうかはわかりませんが、知らないというのはこわいことだなぁと実感しております。」

脳脊髄液減少症の啓蒙につながる御手紙と想い、拝読させて頂きました。いかなる形でも、本症の認知度が上昇する事を望んでおりますので、A.K先生、今後ともよろしくお願い申し上げます。

同時にA.K先生の御快復をお祈り申し上げます。