脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

びまん性硬膜造影像

びまん性硬膜造影像

特発性低髄液圧症候群は、起立性頭痛、つまり起き上っていたり座っていたりすると、強烈な頭痛が生じるが、横になると、すっかり楽になるという症状が代表的です。

その診断に、頭部造影MRIでの「びまん性硬膜造影像」が代表的で、診断的意義が高いです。

ただ、この「びまん性硬膜造影像」は、発症早期には認められない事が多いです。

症状が出現して、比較的にすぐに頭部造影MRIを撮影されて、「びまん性硬膜造影像」が認められなかったとしたら、10日位後に、もう一度撮影すると、所見がはっきりする場合が多いです。

さらに特発性低髄液圧症候群では、慢性硬膜下血腫を合併する場合がありますので、頭部MRIやCTで、画像フォローアップが必要と考えています。

それから時間が経過すると、症状が持続していても、「びまん性硬膜造影像」は消失する場合があるので注意が必要です。

要は、特発性低髄液圧症候群の場合、最初だけ頭部MRIを撮影して判断するのでなく、画像評価による経過観察が大切です。

特発性低髄液圧症候群と脳脊髄液減少症の違いに関しては、以下を参照頂けたら幸いです。