脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

水分補給について

水分補給について

梅雨も明け、間もなく猛暑がやってきます。
脳脊髄液減少症の方々にとって、水分補給は重要です。

では、どのようなものを飲めばよいでしょうか?

私の意見としては、何でも良いと考えています。

ただし、水分の吸収に関しては理解しておいた方が良いでしょう。

水の中に、塩分や糖分が少し入っていて、その濃度が血液の浸透圧に近いものが、体内に吸収されやすい、つまり、飲んだ物が、体の中に留まりやすいです。

代表的なものは、スポーツドリンクです。ただし、糖分が含まれているものを多量に飲むとメタボリック症候群になりますので、注意下さい。

ちなみに、吸収の事だけを考えた飲み物は、OS-1です。

水分補給も、楽しんでできると良いと思います。

患者様の中には、

「岩塩をかじってから水を飲むと楽になる!」

「水の中に少量の蜂蜜とレモンを入れて飲んでいる!」

など、工夫されている方もいます。

食事の際は、当然、食事中に塩分や糖分が含まれますので、水やお茶で良いと思います。

量に関しては、一日何リットル!と、決めてしまうのは、時に危険な事があります。気温や活動量などで必要な量が変わりますので、臨機応変に判断すべきです。

脱水の症状は、口渇です。のどが渇いて我慢しないで下さい。


思い出すのが、医学部学生時代の生理学の水の吸収に関する実験です。

一人が、水を1リットル、もう一人が等張生理食塩水(血液と同じ浸透圧の塩水)を1リットル、もう一人が高張食塩水(血液より高い浸透圧の塩水)を100ミリリットル飲み、その後の尿量などを観察します。

私はじゃんけんで勝ち、水1リットルを飲みました。当然、トイレが近くなります。つまり、体の中に留まる時間が少ない訳です。

等張生理食塩水を飲んだS君は、たくさんの水分を飲んだにもかかわらず、それ程、トイレの回数は増えません。つまり、水分が体の中に留まっている時間が長いという裏づけです。

一方、じゃんけんで負け、高張食塩水を飲んだT君は、その後に腹痛を訴え、下痢しました。塩辛いものには注意しましょう!