脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

別の病気を患ったら!

別の病気を患ったら!

脳脊髄液減少症の方、特にブラッドパッチをされた方から、よく蓄膿症治療の予定がある、アレルギーの治療が必要だ、など別の病気を患った場合に、何を注意したらよいか質問を受けます。

基本的に脱水以外にやってはいけない事はありません。

手術に関して、麻酔方法、手術方法とも特に制限はないと考えていますが、腰椎麻酔、硬膜外麻酔を選択するよりは、他の麻酔法が無難かもしれません。

理由としては、まだ脳脊髄液が減少中の場合は、腰椎麻酔(髄液中に麻酔薬を注入する麻酔)後には、頭痛などが悪化する事が一般の方よりは多いです。(ちなみに歴史的に低髄液圧症候群の最初の報告は、腰椎麻酔後の起立性頭痛です。)

硬膜外麻酔も可能と考えていますが、ブラッドパッチをした事がある方は、担当医にその旨は伝えておいたほうが良いでしょう。ブラッドパッチ歴のある方は、硬膜外での麻酔薬の広がりが通常の方と異なる可能性があります。ちなみに山王病院で脳脊髄液減少症の方が腹部などの手術を受ける際、ほとんどの方が硬膜外麻酔以外の麻酔方法を選択されています。

また、いかなる治療にもリスクが伴いますので、そこは基本的に、他の方々と同様です。治療前に、担当医から説明を受け、同意した上で治療を受けて下さい。

 その他の注意点としては、歯科治療後などに体調が悪化したという方がいました。原因は、無理な姿勢です。

上を向くなど、ある一定の姿勢をとっている最中に具合が悪くなったのですが、我慢して治療を続けた場合が多いと思います。 それから、ある種のレントゲン撮影で、「首を思いっきり後ろにそらしなさい!」などと指示されることもありますが、ここで無理をし過ぎて悪化する方もいました。

治療や検査で無理な姿勢を続けるのは、時に状態悪化につながりますので、担当医と相談されたら良いと思います。

あとは、多くの方々が効果的な治療・薬剤でも自分には合わないという場合があります。自分に合わないと感じたら、やはり担当医と相談すべきです。