脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

安静のリスク

安静のリスク

いかなる治療にも、一長一短があり、リスクがあります。
その中で長所の部分と、短所の部分を考えなければいけません。

例えばブラッドパッチのリスクについては

では、安静はどうでしょうか?
安静治療の最大の利点は、ブラッドパッチなどの治療によるリスク回避です。

一方、リスクは、

  • いつまで安静にしていたら良いのか予期困難である。
  • 安静が長期になると体力が落ちる。
  • また安静の長期化は精神衛生上も良くない場合が多いので、うつ状態など合併し得る。
  • さらに特発性低髄液圧症候群では、慢性硬膜下血腫を合併する事がある。

などが上げられるでしょう。

まず安静にして少し経過を見て、改善傾向があるようでしたら、そのまま保存的治療で様子をみて良いと思います。

一方、改善傾向が乏しい場合は、ブラッドパッチなど考慮して良いと思います。

ちなみにどのくらい様子を見たらよいのか?という質問をよく頂きますが、特に期間を決めてはいません。

特発性低髄液圧症候群で、発症1ヶ月以内 (最短は発症2週間) にブラッドパッチし、罹病期間を長引かせずに社会復帰される方々もいます。このような対応も、ありかと考えています。

頸椎捻挫、外傷性頚部症候群に伴う症例は話は別で、通常、数週の安静で改善しますので、ある一定期間の経過観察が必要です。