脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

診断の名称について

診断の名称について

脳脊髄液減少症、低髄、脳脊・・・
診断名について、様々な呼称が唱えられています。

現在では特発性低髄液圧症候群、脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症が、主に使用されています。

特発性低髄液圧症候群脳脊髄液減少症は、治療法はともにブラッドパッチですが、病態が異なるため、区別して捉えるべきと考えています。

平成24年に厚生労働省研究班は、脳脊髄液の量の測定は困難であるが、漏出を捉える事は可能であるため、脳脊髄液漏出症画像判定基準を発表し、同基準を満たした症例は脳脊髄液漏出症と診断するとしました。

脳脊髄液減少症の一部が脳脊髄液漏出症であると考えています。
それぞれの特徴をまとめると

特発性低髄液圧症候群:

  • 症状として起立性の頭痛が顕著である。
  • 頭部MRIによる「びまん性硬膜造影像」をはじめ、RI脳槽シンチやCTミエロ、MRミエロで髄液漏出像や硬膜外液体貯留像など陽性所見を認める場合が多い。
  • 髄液圧は、低圧の場合が多い。
  • 原因は不明、もしくは軽微な外傷の場合が多い。
  • 治療予後が良好である。
  • 慢性硬膜下血腫の合併が少なくない。

脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症:

  • 起立性の頭痛が典型的でなく、めまい、嘔気、耳鳴り、倦怠感など他の不定愁訴を伴う場合が多い。
  • 頭部MRI、RI脳槽シンチやCTミエロ、MRミエロにて特徴的な所見を呈する場合が多くない。
  • 髄液圧は正常圧の場合が多い。
  • 原因不明、もしくは交通外傷など強い衝撃が原因の場合が多い。
  • 治療予後は改善率約75%。

現在、山王病院では、全国から多くの初診希望者がいるため、初診予約制限などで多大なご迷惑をお掛けしています。

ただ特発性低髄液圧症候群、特に慢性硬膜下血腫合併例に関しては、時に救急処置を要します。

情報提供書を添えた上で、山王病院に連絡を頂けた場合には、早期の診察を考慮させて頂きます。