MRIで、脳脊髄液減少症の診断は可能か?
- 2019.10.27
- 脳脊髄液減少症
脳脊髄液減少症、低髄液圧症候群に対する診断、特にMRIに関する研究は進んでいます。
MRミエログラフィー(MRミエロ)、T2脂肪抑制画像で
・硬膜が浮いたように写るFloating dural sac sing (FDSS)
・福山医療センター、守山英二先生提唱の、硬膜の背側、三角形に写るFringed epidural space sign (FESS)
・恐竜の背びれのような Dinosaur Tail Sign
など、近年、新たな知見が出ています。
以下の論文でもMRIの有用性を報告しています。
高橋 浩一
脳脊髄液動態の臨床トピックス1:髄液減少症からみた髄液の動態と機能
日本頭痛学会誌 46:103-110, 2019
ただ現状、正常例と異常例との検討など課題が残されております。
また、MRIのみで、正常、異常の鑑別は非常に難しいと考えています。
特にMRIで正常と判断されても、いろいろな精査を進めていくと、脳脊髄液減少症と診断されることが決して稀でありません。
そのため脳脊髄液減少症診療をしていて、診断の難しさを何度も何度も痛感しています。
将来的には、腰椎穿刺を要さずに診断できるMRIが主流となる可能性は十分にありますが、現状は、まだその域に達していません。
なので、MRIで脳脊髄液減少症に特徴的な所見を呈さないことだけでは、脳脊髄液減少症を否定できないと考えています。
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