多髄節性筋萎縮症
- 2020.03.29
- 脳脊髄液減少症
第19回 日本脳脊髄液減少症研究会、脳脊髄液漏出症による多髄節性筋萎縮症という稀な病態の貴重な発表がありました。
多髄節性筋萎縮症 (Multisegmental amyotrophy) とは、筋肉萎縮、筋力低下を主訴とし、複数の脊髄髄節が障害されて生じます。
発表では2症例提示があって、1例は、特に頭痛はなく、もう一例は、激烈な頭痛、頚部痛の後に、筋萎縮、筋力低下が出現しました。
私も同様な症例を経験させて頂きましたが、頭痛など誘因なく、筋萎縮、筋力低下が出現、徐々に進行し、脊髄MRIでは、脊髄硬膜外に異常な液体貯留を認めていました。
多髄節性筋萎縮症に関して、まだ経験がわずかですが、ブラッドパッチのみでは治療が困難な場合、直達手術も選択肢として治療方針を検討すべきかと考えています。
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Duropathyと呼ばれる、脊柱管内硬膜の欠損または損傷により神経症状を呈する疾患があります (Duro: 硬膜、pathy: 病気) 。これは2012年Kumarにより提唱された概念で、特発性低髄液圧症候群、脳表ヘモジデリン沈着症、特発性脊髄ヘルニア、多髄節性筋萎縮症などが含まれます。
近年注目を浴びているものの認知度は低く、まとまった検討は、ほとんどありません。
原因不明と判断されている方々の中に、髄液の異常による疾患が存在している可能性があります。
診療の視野を広げて頂き、多くの知見を与えて頂いたご発表と、ありがたく感じました。
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