脳脊髄液減少症の歴史 その7
- 2021.01.24
- 脳脊髄液減少症
Shaltenbrandが髄液無産生症という疾患を提唱して以降、脳脊髄液減少症に関して、報告がほとんど見られなくなりました。
1990年にMokriが、起立性頭痛を主訴として、頭部MRIにて、「びまん性硬膜造影像」など特徴的な画像所見を呈する、特発性低髄液圧症候群が報告しました。
そして特発性低髄液圧症候群に対して、RI脳槽シンチが施行され、脊髄レベルにて髄液漏出像と言われる所見を認めました。
それ以降、特発性低髄液圧症候群の報告が多く認められるようになり、同時に脊髄レベルでの髄液吸収経路が注目されてきます。
Mokriが報告した症例の多くが、髄液圧が非常に低く、本症の病態は脊髄レベルでの髄液漏出による「低髄液圧」と考えられました。
続く
参考文献
髄液無産生症(Shaltenbrand):忘れ去られた病態生理
田村直俊、光藤尚、中里良彦、山元俊正、荒木信夫
神経内科2012
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