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脳脊髄液減少症の歴史 その8

脳脊髄液減少症の歴史 その8

2000年になり、現国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科、篠永正道教授が、難治性のむち打ち症の患者の訴えが、低髄液圧症候群の症状に似ているのではないかと考えられました。

そして、RI脳槽シンチを施行してみると、髄液漏出像が認められ、ブラッドパッチをすると改善しました。

尊敬すべき名医 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

たけしの本当は怖い家庭の医学 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

脳脊髄液減少症のあゆみ │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

難治性むち打ち症は、第一次世界大戦の頃から症例がではじめ、日本では終戦後の、車社会到来により患者数が増え、社会問題になっていました。

特効的な治療がなく、詐病扱いされることも決して稀でありませんでした。

その難治性むち打ち症に対して、治療の可能性を見出したのは、世紀の偉大な発見でした。

そして長年、難治性むち打ち症に悩んできた方々にとっては、福音となる治療の可能性が表れました。

篠永先生が、ニュースステーションに出演され、難治性むち打ち症に対してブラッドパッチが効果を示すことを述べられると、症例数が一気に増えることになりました。

しかし、新たな概念が提唱された場合、反対意見が宿命的につきまといます。

脚気論争 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

大規模臨床試験 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

続く

参考文献

髄液無産生症(Shaltenbrand):忘れ去られた病態生理

田村直俊、光藤尚、中里良彦、山元俊正、荒木信夫

神経内科2012