脳脊髄液減少症の歴史 その10
- 2021.04.29
- 脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症をめぐり、
国際的には2004年に国際頭痛分類第II版が発表されました。この基準は、起立性頭痛の存在を重要視しています。
国内では2007年より厚生労働省「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立関する研究」が立ち上がりました。
この研究班には、脳神経外科、整形外科、神経内科、放射線科など8つの関連学会から10人以上の医師が参加しました。しかし、脳脊髄液減少症研究会からは篠永正道先生と、日本医大の喜多村孝幸教授のみの参加にとどまります。
そして脳脊髄液減少症という疾患に対して否定的な声は、日に日に強くなっていきます。
さらに国内では、ブラッドパッチを行うこと自体にプレッシャーがかかり、脳脊髄液減少症診療を行う医師の減少につながっていきます。
このままでは、「脳脊髄液減少症という疾患は存在しない」という結論で締めくくられるという、最悪のシナリオが現実味を帯びてきました。
痛みを捉える │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)
続く
参考文献
髄液無産生症(Shaltenbrand):忘れ去られた病態生理
田村直俊、光藤尚、中里良彦、山元俊正、荒木信夫
神経内科2012
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