脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

髄液漏出が認められない脳脊髄液減少症

髄液漏出が認められない脳脊髄液減少症

画像上、髄液漏出が認められない場合、脳脊髄液減少症を否定できるのか?という大きな問題があります。

以下の論文では、

TakahashiK. Cerebrospinal fluid leakage in childhood and adolescence: analysis of 195 patients and literature review. Nervous System in Children 44: 317─323, 2019

小児期・学童期に発症した脳脊髄液漏出症 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

RI脳槽シンチ所見にて、髄液漏出像を認めた群と、髄液漏出像が明らかでない群の間で、治療予後に統計学的有意差を認められず、両群ともに良好な結果と報告しています。

また当院では、RI脳槽シンチやCTミエロを行っても、髄液漏出が明らかでない症例に対して、生食パッチを行っています。

生食パッチの有用性 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

生食パッチにて、症状改善が明らかに改善した場合は、ブラッドパッチの効果が期待できます。

それから特発性低髄液圧症候群診断に重要な、「びまん性硬膜造影像」は、発症早期には認められない事が多く、時間が経過すると、症状が持続していても、所見が消失する場合があるため注意が必要です。

びまん性硬膜造影像 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)