脳脊髄液減少症や水頭症など脳脊髄液循環障害を専門に診療を行っている高橋浩一の公式サイトです。

脳脊髄液減少症の歴史 その13

脳脊髄液減少症の歴史 その13

ブラッドパッチ治療は、長らくの間、自由診療でした。

自由診療とは、治療として、国の承認を受けるための全段階を満たしておらず、有効性などが公的に確認されていないので『保険診療』として扱われないものです。

それが平成24年に適用となった先進医療とは、厚生労働大臣が承認した、先進性の高い医療技術のことです。

医療技術ごとに適応症および実施する保険医療機関が特定され、山王病院では、平成24年8月よりブラッドパッチが、先進医療の適用となりました。

先進医療 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)

先進医療として認められた事実は、まぎれもなく脳脊髄液減少症(漏出症)診療においての、大きな、大きな発展一歩となりました。

ただ、先進医療として認められるためには、平成24年に公表された、脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準を満たす必要がありました。

この基準を満たさない脳脊髄液減少症症例の存在や、相変わらずの脳脊髄液減少症に対する否定的、懐疑的な意見が後を絶たないなど問題点は残されたままでした。

続く

参考文献

髄液無産生症(Shaltenbrand):忘れ去られた病態生理

田村直俊、光藤尚、中里良彦、山元俊正、荒木信夫

神経内科2012