脳脊髄液減少症の歴史 その13
- 2021.09.26
- 脳脊髄液減少症
ブラッドパッチ治療は、長らくの間、自由診療でした。
自由診療とは、治療として、国の承認を受けるための全段階を満たしておらず、有効性などが公的に確認されていないので『保険診療』として扱われないものです。
それが平成24年に適用となった先進医療とは、厚生労働大臣が承認した、先進性の高い医療技術のことです。
医療技術ごとに適応症および実施する保険医療機関が特定され、山王病院では、平成24年8月よりブラッドパッチが、先進医療の適用となりました。
先進医療 │ 山王病院脳神経外科・Dr.高橋浩一 (takahashik.com)
先進医療として認められた事実は、まぎれもなく脳脊髄液減少症(漏出症)診療においての、大きな、大きな発展一歩となりました。
ただ、先進医療として認められるためには、平成24年に公表された、脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準を満たす必要がありました。
この基準を満たさない脳脊髄液減少症症例の存在や、相変わらずの脳脊髄液減少症に対する否定的、懐疑的な意見が後を絶たないなど問題点は残されたままでした。
続く
参考文献
髄液無産生症(Shaltenbrand):忘れ去られた病態生理
田村直俊、光藤尚、中里良彦、山元俊正、荒木信夫
神経内科2012
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