脳脊髄液減少症の歴史 その14
- 2021.10.24
- 脳脊髄液減少症
ブラッドパッチが先進医療の適用となったことは、脳脊髄液減少症診療において、大きな前進で、ブラッドパッチを行うことに対しての、プレッシャーが少なくなりました。
慢性硬膜下血腫合併の低髄液圧症候群に対して、ブラッドパッチを先行した方が、治療は安全にできるとの知見が高まっていましたが、先進医療適用前の状況では、ブラッドパッチと慢性硬膜下血腫の手術を同時に行うと、混合診療が認められないため、手術も自由診療となりました。
それを避けるため、山王病院でブラッドパッチを行い、直後に近隣の病院に転送して手術を受けた症例もありました。
このような治療方針検討には大きな障害が、たびたびありました。
それが、ブラッドパッチ先進医療適用後には、そのような気遣いは不要となり、ブラッドパッチと手術を同時に行うことへのハードルが大きく下がりました。
それから、この期間に行われたブラッドパッチの有効性、安全性などをまとめ、いよいよ、保険適用に向けて動いていくことになります。
続く
参考文献
髄液無産生症(Shaltenbrand):忘れ去られた病態生理
田村直俊、光藤尚、中里良彦、山元俊正、荒木信夫
神経内科2012
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