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外傷性頚部症候群と脳脊髄液減少症

外傷性頚部症候群と脳脊髄液減少症

外傷性頚部症候群とは、

「頚部外傷によって生じた頚椎ならびに神経系の構築学的、神経学的帰結であり、運動および神経系の多彩な異変のみならず、精神神経学的ならびに、耳性学的、視覚平衡機能障害をも伴いうる症候群である」

と定義され、通常、レントゲンなどの画像検査にて異常を認めません。

難治生の外傷性頚部症候群の一部に脳脊髄液減少症が存在しますが、受傷早期には、症状が極めて酷似しているため、両者の鑑別は不可能です。

いずれにしても受傷後の治療方針は、保存的加療です。

一般的に外傷性頚部症候群は数週から数カ月の経過で回復しますので、早期のリハビリテーション、社会復帰などを薦めます。

ただし脳脊髄液減少症の要因があると、運動や肉体作業などで症状が悪化します。

脳脊髄液減少症に比し、外傷性頚部症候群の認知度および頻度は、はるかに高いので、何らかの受傷後に頚部痛、頭痛など不定愁訴を訴える症例は、通常、外傷性頚部症候群と診断されます。