ブラッドパッチの保険適用は必須である!
- 2013.12.21
- 脳脊髄液減少症
低髄液圧症候群は、時に重篤化する症例があります。特に慢性硬膜下血腫合併例では、保存的治療、手術のみでは治療に限界がある症例を経験してきましたし、様々な病院からも紹介をきました。
当院では現在の所、ほとんどの方が回復され、重篤化した症例はありません。
したがって低髄液圧症候群は、慢性硬膜下血腫を合併していても、ブラッドパッチを含め、適切に治療されれば、予後良好と考えられています。
しかし昨年、国内から救命しえなかった重症特発性低髄液圧症候群の1例が報告されました。また、海外からも、死亡例、重篤化例が報告されており、低髄液圧症候群に対しては、保存的治療や手術のみでは限界があり、ブラッドパッチが必須となる症例が間違いなく存在します。
またブラッドパッチが保険適用になっていないがゆえ、低髄液圧症候群に対してブラッドパッチを施行しない病院が、大学病院レベルでも存在しています。
大学病院レベルの病院で、診断は受けたものの、「当院ではブラッドパッチができない」との理由で、山王病院への紹介状が渡され、当院受診の予約を待っている間に状態が悪化し、重篤化しそうな症例も経験しました。この例は、間一髪、ブラッドパッチ、手術を受け元気にされていますが、受診までの時間が、もう少し遅れていたらと考えると、ゾッとします。
本症が生活の質低下を来し得る事も問題ですが、生命にまで影響し得る疾患である事を認識すべきと考えます。
この観点からも、ブラッドパッチの早期保険適用を望みます。
初めてコメントさせていただきます。
9月に硬膜外麻酔の無痛分娩にて出産後、ふわふわめまい,動悸,背部痛、顔の感覚異常、足の脱力感、物忘れ、考えがまとまらない等色々な症状にて悩まされています。
典型的な起立性頭痛はありませんが髄液漏れの可能性は高いと思いますか。
ドクターショッピングをし、色々検査を行いましたが特に問題は見られずどこでも産後の疲れだろうと言われてきましたが、めまい外来に行ったところ脳脊髄液減少症の可能性があると言われました。
3ヶ月になった赤ちゃんの育児がありますし、一刻も早く体調を治して育児に専念したく切羽詰まっております。
ご助言よろしくお願いします。
りゅう様
コメントありがとうございます。
文面から、脳脊髄液減少症か否かの判断は、とても難しいです。
立位で悪化傾向にある、気圧の変化に影響を受ける、といった事があれば、脳脊髄液減少症が存在しているかもしれません。
御回復をお祈り申し上げます。
高橋浩一 先生
りゅう様の大切な御相談に横入りして、申しわけございません。
初めての方が、このようにご相談されることこそ、高橋先生がブログを開かれているご本意だと思います。
私の書き込みは、スルーされても結構です。
私の県ではこのようになっており、本症に対する広報は、高橋先生ののご講演や患者会の皆様のご努力の賜物と思いますが、ブラッドパッチはまだまだです。
http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/anzen/hokenn/documents/sittokunousekizuieki.pdf
http://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/alle-nan/nousekizui/byouin.html
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
千葉県での広報など、御尽力、いつも感謝しております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
高橋先生
「国はけしからん」
ある地方講演で、がんの温存療法を
された俳優さんの一言です。
温存療法も保険が適用されていないそうです。
「医療を必要としている全ての子どもたちに」
と題してコラムを掲載していたある病院の院長は、
「脳脊髄液減少症まで手がまわらない」
とおっしゃっていました。
それぞれの患者会は、自分や家族のためだけではなく、
現在未来に苦しむ人をなくすために活動されています。
自分の子供が、家族がもし、、、
その気持ちや熱意は、国を動かす政治家や、命と
寄り添う医療人になくてはならない大切なものと
感じます。
高橋先生の熱意、私たちの思いが国に伝わることを
願ってやみません。
モモ様
コメントありがとうございます
日本は、医療として恵まれた国ではありますが、少数派や新たな概念に対しては、頭が柔軟でないと感じています。
その中で、何とか脳脊髄液減少症をメジャーにしていく事に向け頑張っていきます!