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誰も知らない泣ける歌

誰も知らない泣ける歌

11月11日放送のNTV「誰も知らない泣ける歌」で、「めぐり逢い」という歌を西城秀樹さんが歌いました。

「誰も知らない泣ける歌」スタッフから、事前に西城さんの病状ついて取材を受け、指導などさせて頂いていたため、どのような番組になるのか、楽しみにしていました。

実際の放送は、私の想像を遥かに超えた素晴らしい番組でした。


西城さんは脳梗塞を患い、「構語障害」を後遺します。言葉が充分に発声できない、音程が思い通りにとれないなど、歌手生命が絶望的な状況に陥ります。

その西城さんを救ったのが、家族の支えでした。

しかし、現実は厳しく、辛い日々が西城さんにのしかかります。そんなある時、6年前に歌った「めぐり逢い」という歌に、西城さん自身が新たな目標を見出しました。

現実を認識し、受け入れ、「今は発病前の70%の状態だから、70%の歌でいい。」と気持ちを切り替え、辛いリハビリテーションを乗り越え、再びあのような素晴らしい歌を披露されました。

3年以上の苦悩を乗り越えての復活には、思わず泣けました。

西城さんの番組を拝見していると、その苦悩の影には

  • 家族、周囲の協力
  • 目標を持つ
  • 目標を達成するため努力
  • 前向きな考え
  • 思考の転換
  • 現実の受け入れ


という、私が病に打ち克つために重要と感じている事々があり、気持ちを強く持てた事が大きく影響したと思います。
「今は発病前の70%の状態だから、70%の歌でいい。」のような考え方が出来たのが素晴らしいと感じました。

自らを完全な状態に戻すことは、現代医学では不可能なだけでなく、時に不要なプレッシャーを自分にかけることになると思います。

スーパースターの西城秀樹さんが、過去の栄光よりも病気と真摯に率直に向き合ったことが、上記のような言葉につながったのではないかと思います。

また、西城さんの復活は、脳卒中後遺症などで悩む方々に勇気を与え、励みになったのではと推察します。西城さんの歌「めぐり逢い」はもちろん、脳梗塞という歌手生命を絶たれかけ、引退まで考えた状況から回復する過程には非常に感動しました。

そして同時に、このような素晴らしい番組に少しでも関われた事に感謝いたしております。