紅葉
- 2009.11.29
- 日々のつれづれ

最近の乃木邸です。
紅葉が綺麗です。


いよいよ司馬遼太郎原作、「坂の上の雲」が放映されます。
「明治」という近代国家に、乃木希典陸軍大臣の存在は欠かせません。
「坂の上の雲」では、愚将扱いされていますが、名将か否かは歴史専門家の間でも、意見が分かれるようです。
ただし、明治天皇からの信望が厚かった事や、水師営会見での紳士的な武人としての名誉を重んじる姿勢などは有名です。
また、日露戦争での戦死、戦傷した部下や遺族に見舞金を渡したり、少年時代の石原莞爾が紹介状無く、乃木を訪ねた際に、喜んで石原を家に招きいれたという事もあったそうです。
いずれにしろ明治時代の日本を支えた方である事には間違いないと思います。
小説としての「坂の上の雲」楽しみにしています。
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高橋浩一 先生
高橋先生のご意見に、「激しく同意」します。史観というものは、つねに「勝者の視点」から語られるからです。
敗者、弱者の立場に立つことも、時には重要と思います。
軍隊時代にその石原の部下に冷遇されたことが、司馬氏の「乃木観」を産んだことは、前述したとおりです。
私も「坂の上の雲」楽しみにしています。でも、「亀田=内藤戦」もたのしみで、夜は二台違うチャンネルをつけながらのテレビ視聴になりそうです。
高橋先生は、ボクシングのドクターもされていらっしゃいますが、試合そのものに、のめり込んでしまうようなことはないのですか?
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
あきちゃんで~す先生に質問させて頂きたいのですが、ノモンハン事件の解釈もかなり分かれていると思います。
日本陸軍から吹っかけたという説もあれば、最近の資料も考慮した上で、ロシアが事を起こしたという説もあります。
司馬氏は圧倒的なロシアの勝利と述べられていますが、そうでもないと言う説もあります。
当時の日本軍は不拡大方針を表明しており、ロシアが一方的な攻撃してきて、それに防戦したという説もあります。
大切な事件と思うのですが、先生はどのようにお考えでしょうか?意見を頂けたら幸いです。
それから、内藤vs亀田戦、もちろん楽しみにしています。と、言いますか、現在、埼玉の病院で、万一の事故に備えて待機しています。
両番組とも録画し、いつでも見れる状況を作っています。
高橋浩一 先生
「熱い」高橋先生のこと、「内藤・亀田戦」のことは、そうおっしゃるだろうと思っていました。笑
さて、ノモンハン事件のことです。
これについては、80年代末から、日本、モンゴル、ソ連の3当事者の学者たちによる共同の働きかけにより、この軍事衝突を研究する国際学会が始まったばかりです。
この秋に、軍事史学会と偕行社近現代史研究会が主催し、シンポジウム「ノモンハン事件と国際情勢」が開催されました。つまり、まだ「学問的な公式見解」と言うところまで到底行かないといったところです。
したがって、私がこの場で、事の是非を論ずる立場にはありません。
戦争、特に「太平洋戦争」は、複数の国の利害関係が複雑に入り組んでおり、「こっちが白で、こっちは黒」というふうに、勝敗?をつけられるものでもありません。
「どっちの責任か」を論じることは、あまり意味がないことととも思います。
大事なことは、このようなことが二度と起こらないようにすることです。
今の段階で私が言えることは、「東京裁判は、その成立・実施の過程から見ても、とても公正な裁判とは言い難く、その裁判に縛れた東京裁判史観は大きな問題点を孕んでいる」ということです。
あきちゃんで~す様
御回答、誠にありがとうございます。
そういう事でしたか!納得です。
あっさり日本陸軍が愚かである!と言い切れない可能性がある訳ですね!日本人の立場として、シンポジウムの成果が楽しみです。
東京裁判史観も含め、多くの方々が考えるべき点は多々あると思います。坂の上の雲が、正しい日本史観を多くの方々に与えて頂ける事を期待します。
さて、もうすぐゴングです。
高橋浩一 先生
事情で、今晩は家にだれもおらず、「テレビがお友達」です。
高橋先生のブログを読んだので、その影響もありますが、亀田戦を終わって、今、読売日本交響楽団の演奏会を聴いております。一昔前に比べると、随分腕を上げました。
また、読売新聞系列のオケの演奏会をNHKで放映するということにも、隔世の感を覚えます。時代は確実に変わっています。
このオケには、黒瀬氏の同門の方も多数、在団されています。
そして「坂の上の雲」をBSで見ています。
私は、「坂の上の雲」はあくまで「坂の上の雲」であってほしい…。
小説ですから、どこがどのようにデフォルメされていても、例え史実とは反する史観でも、それが真摯なものなら、それでよいと思っています。
それを「公共放送だから…」というような視点で、司馬氏の主張をぼかしたりするようなことだけはやめてほしいと思います。
その上で、「何が正しいのか」の判断は、読者や視聴者ひとりひとりにゆだねられるべきだと思っています。
高橋浩一 先生
2歩の文化の発展にとって、若しくは、個人の栄達にとって、「どこの国にモデルを取るか」は重要なのですね。
「坂の上の雲」で、主人公の兄の秋山好古が当時の主流のドイツではなく、フランスに留学したことが、「秋山全滅」と揶揄されます。
しかし、秋山は騎兵術を身につけ、後には、日露戦争で、ロシアコサック騎馬隊を壊滅させます。
高橋先生のご出身の慈恵医大の高木博士も「ドイツVSイギリス」の対立の構図に巻き込まれましたし、ボアソナードの「ドイツVSフランス」民法論争は学問的にも有名です。
また、大隈重信の「イギリス式立憲改進党は「急進的すぎる」と当局からにらまれました。
これらの趨勢は、純粋に科学的価値から決まるべきものですが、往々にして、政治的力学で決まってしまいます。
兼題に翻って、脳脊髄液減少症の方向性も、純粋に科学的に決まっていって欲しいと感じる一幕でした。
あきちゃんで~す様
コメントありがとうございます。
御指摘の通りと思います。
理想を言うと、それぞれの国の良い部分を吸収するということなのでしょうが、政治的力学は強いです。
明治初期の日本の医学はドイツ医学を主に採用しましたが、その中でもイギリス医学を基盤とする高木先生の御活躍など、イギリス医学の良い点がでてくるのは政治的力学に屈せず、科学的価値からだと思います。
脳脊髄液減少症も政治的力学もに圧されている感がありますが、ブラッドパッチで軽快する方がたくさんいるという事実を励みに今後も頑張っていきたいと思います。