歴史は奥深い
- 2009.09.26
- 日々のつれづれ

坂本龍馬といえば、明治維新の功績者として立派な人物で、歴史上の好きな人物を挙げろという問いには、必ず上位に入るほど人気があります。
しかし、坂本龍馬を「利にさとい武器商人」と評している方がいます。
新井喜美夫氏著、「転進 瀬島龍三の遺言」(講談社)によると、
「龍馬は武市瑞山にそそのかされ、土佐勤皇党に加盟し、尊皇攘夷運動に関わったため、土佐にいられなくなり、やむなく脱藩し、武器商人と組んで暗躍した。
その少し前、アメリカで南北戦争が予定より早く終了し、大量の武器が余った。
これを知った長崎のグラバー邸の主、グラバーが日本で薩長に売れ残った武器を買わせ、儲けようとした。
その手先として引き入れたのが坂本龍馬である。」(要約)
司馬遼太郎氏「竜馬がゆく」などにより、日本史上の英雄として語り継がれる事が多い坂本龍馬ですが、こんな捉え方もあるのかと、興味深く拝読させて頂きました。
新井氏のように考えると、船中八策を提示しながら、政治の中心に留まろうとしなかった事も納得できる気がします。
ちなみに瀬島龍三氏とは、近々ドラマ放映される「不毛地帯」の主人公のモデルとされている方です。
高橋浩一 先生
龍馬の人物像がこれだけ「定説」のようになっているのは、
乃木大将の場合と同じく、やはり司馬遼太郎の「小説」によるところが大きいと思います。
そこには、司馬の龍馬に対する「痘痕も笑窪」的思い入れは当然入っているわけで、乃木大将の過小評価と同様、龍馬を過大評価している面は否めないでしょう。
昭憲皇太后の枕元に立って「日本海海戦は必ず勝利する」と語ったという逸話は有名ですが、当の皇太后は、龍馬のことを知らなかったそうですから、少なくても、明治中期までは、有名人ではなかったわけです。
相当な周旋屋だったことは認めますが、天寿を全うしたとして、渋沢栄一や岩崎弥太郎のような大実業家になれたかどうか…
そのような龍馬の業績に科学的考察を加えるべく「現代龍馬学会」も立ち上げられました。
http://www.ryoma-kinenkan.jp/academy/
来年の大河ドラマは、「龍馬伝」ですね。http://www3.nhk.or.jp/drama/html_news_ryouma.html
どういう人物像としてえがかれるのか、「NHKオリジナル」のお手並み拝見といきましょう。
あきちゃんで~す様
コメントおよび解説ありがとうございます。
昭憲皇太后の話は有名ですが、真偽の程はいかなるのもかなども含め、「現代龍馬学会」の研究なども興味があります。
しかし、龍馬を語る事により、歴史に疎い方(私を含める)にも幕末、明治維新の理解はしやすくなると思います。