イップス
- 2018.09.23
- メンタルトレーニング 脳脊髄液減少症
イップスとは、研究社新英和大辞典によると「精神集中の際に起こる痙攣・震え」、オックスフォードスポーツ医科学辞典によると 「無意識な筋活動の乱れで、ゴルファーに見られ、 パッティング中に腕が痙攣するのが特徴で、 処置が非常に困難である。」 という、今までできていた簡単なことが、手が震えるなどして、できなることを言います。
精神的なものと考えられていますが、イップスの中には、職業性(動作特異的)ジストニアという病態があることを先日の第16回日本臨床医療福祉学会にて東京女子医大脳神経外科の堀澤士朗先生が発表されていました。
ジストニアとは、意識と無関係(不随意)な、 パターン化された筋収縮を言います。
職業性(動作特異的)ジストニアとは、
長期間にわたって定型的な運動を繰り返し行うことで、 その定型的な動作を行う時にだけ ジストニア症状が出現すします。
脳の、ある部分的な神経回路がオーバーヒートした状態と考えられています。
ゴルフですと、パターの時に、テンスや卓球ではフォアショットの時にジストニア症状がでるような感じです。
音楽家では、ピアノで薬指がうまく動かせなくなる、ドラムを叩く時に首が曲がらなくなるなどの症状がでます。
字を書く時にだけジストニア症状が出現する病態は、書痙と考えられています。
他の生活をしている限りはジストニア症状は出現しません。
たくさん練習しても、発症しない例が圧倒的に多いが、 一旦発症すると、自然寛解は困難 です。
東京女子医科大学脳神経外科では、職業性ジストニアに対して定位脳手術(視床凝固術)や ガンマナイフ、収束超音波治療を行い、優れた治療成績を収めています。
イップスは精神的なものと思っていたので、目からウロコが落ちました。
なので、先日の青山学院大学での関東地区メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会でも報告させて頂きました。
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