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強制的か 自主性か!?

強制的か 自主性か!?

先日の関東地区メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会

スパルタと言われる強制的な教育が良いか、自主性を促す指導が良いかという非常に興味深い話しがありました。

日本の運動部は、後者の指導が多いのではないかと思います。

一方で、海外では選手の自主性に任せて練習しているチームが多いようです。

スパルタ的練習

人間は甘えてしまう動物なので、上からの監視を光らせ、厳しく指導していく。

強制的に課題を与え、それを強制的に練習させていく。

そのために、指導者は鬼になる。

強制の先に自主がある。

教育でも、子育てでも、ある程度、無理矢理にでもやらせないと、行動しない場合が少なくないので、このような考えは、愛が伴っていれば、大切でしょう。

一方、以前、スパルタ的な指導で有名であった、ある指導者は、海外の練習を見て、そして、大切な方を亡くして考えを変えたそうです。

命は一回のみである。

ならば、楽しむ時間を持つべきである。

楽しむ事より、勝つ事を優先していなかったか?

言われる事をするだけで、楽しいのか?

指示された事をこなすだけで、人間として考える能力が形成されるのだろうか?

様々な葛藤の後に、選手の自主性を重んじる指導に切り替えたそうです。

自主性を重んじる指導では、

選手自らが、考えて、悩んで、実行していくために、考える能力が向上する。

やらされる練習より、自主的に考える練習は、練習効率が良くなる可能性がある。

選手が、チームが一つにした目標は、内発的なモチベーションとなり得る。

など、の効果があります。

ただし、スパルタ的指導で有名なある指導者が、

「自主のためには、我慢が必要」

と述べられる通り、自主性を引き出すのには、多くの労力を要するでしょう。

そんな中、ある自主性を重んじる指導者は

「ヒントを与え、選手が考える状況を作りだす事が重要。そして考えさせる事で、能力をいかに引き出すかが大切!」

と述べらました。コーチングの語源に関わる言葉で、重い響きがあります。

また同じく自主性を重んじる指導者は

「勇気を持たずにやらない事は、失敗である。」

とも述べられました。同じく、重い響きがあります。

トップダウン方式でなく、ボトムアップ、つまり下からの意見を吸い上げて、上がまとめていくといった管理、指導も大切かと思います。

非常に勉強になりました。

次回の関東地区メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会は、12月13日(金)です。